専用の目薬を使わないと角膜が危うい? 専門家が教える「コンタクトの正しい扱い方」
会社の休憩中、お昼寝する場合
装用時間(ソフトコンタクトの場合は12時間、ハードコンタクトの場合は15時間)をきちんと守ることはもちろんのこと、会社のデスクなどでお昼休みに少しだけ寝たいときも、コンタクトははずしたほうがよいでしょう。 たとえほんの少しの時間でも寝ている間は目が乾燥して傷がつきやすくなりますし、傷から菌が入って感染症という可能性も高まります。1dayタイプは新しいものに替え、2weekタイプなどは保存液に入れ、洗浄してから使用しましょう。
乾き目解消、効果的な目薬の使い方
また、目が疲れた、乾いたと感じたときは目薬を使うのも効果的です。目にうるおいを与えて乾燥を防いだり、コンタクトのゴロゴロ感、疲れ目などの対策だったり、目薬を容量用法を守って、定期的に使うことは、より目に優しい快適なコンタクトライフの実現をサポートしてくれるはずです。 そこで、目薬とコンタクトについて専門医にいろいろ聞いてみたので、ここでまとめさせていただきます。まずお伝えしたいのは、コンタクトを装着しているときにさす目薬は、必ずコンタクト専用のものを使用してください、ということです。一般的な目薬には防腐剤を使用しているものも多くありますが、その一方コンタクト用の目薬は防腐剤フリーの場合が多いのです。 専用のものを使用しなかった場合のことも専門医に聞いたところ、2weekタイプのコンタクトを装着しながらその目薬を使い続けた場合、コンタクト内で防腐剤の濃度が上がり、角膜が溶けるなどの危険性があるのだとか。コンタクトはスポンジのような性質を持っているので、成分を吸収して常に目に影響を与えてしまうようなのです。 また、コンタクト専用の目薬の多くは、涙の代わりとして乾きから目を守る目的がほとんどなのに対して、通常の目薬は何かの症状に対しての有効成分が含まれています。それがコンタクト自体に影響を及ぼす可能性もあります。 もし、コンタクト専用ではない目薬をする場合には、コンタクトを装着していない状態でさして、5~10分おいてコンタクトを装着するといいとのことです。 目薬の先端が目に触れないようにして目薬をさす際は「2階から目薬」くらいの気持ちで上に離してさしましょう。目薬の先端が目に触れてしまうと、菌が容器内に入り繁殖してしまうので気をつけてください。 たとえ家族間であっても、菌が感染する可能性があるので、貸し借りは厳禁です。さした後は、目をパチパチとさせるのではなく、考える人のポーズで目頭をぐっとおさえると、目薬の効果が持続します。 市販の目薬は意外と容量が入っているものも多いので、一度買うと1年以上同じ目薬を使っている、なんて人もいるかもしれませんね。しかし、眼科で処方された目薬も市販の目薬も開封から1カ月で使い切る仕様となっています。防腐剤が入っていないものの場合、もっと短いものもあるのでご注意を。 また、目が乾いたと感じるたびに目薬をさす人もよくいます。使用頻度は1日8~10回程度にとどめてください。乾燥するたびに目薬をさしてしまうと、本来備わっている涙を出す機能が退化。さらに涙が出にくくなる可能性もあるそうなので、心当たりのある方は気をつけましょう。
吉田忠史(株式会社パレンテ代表取締役),河内敏(監修/眼科医)