専用の目薬を使わないと角膜が危うい? 専門家が教える「コンタクトの正しい扱い方」
ハイスペック素材「シリコーンハイドロゲル」は何が違う?
もう1つが素材です。ドライアイや充血しやすい方、コンタクトを毎日長時間装着する方、お仕事でパソコンをよく使う方などは、シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトを使うことをお勧めします。 今のソフトコンタクトの種類は大きく分けて、水分を含ませるとやわらかくなる「HEMAハイドロゲル素材」と、水分が蒸発しにくい「シリコーンハイドロゲル素材」の2種類があります。 お笑いやK-POP界のように世代で分けるとしたら、十数年前までの酸素透過性の低いソフトコンタクトが「第1世代」、HEMAハイドロゲル素材が「第2世代」、シリコーンハイドロゲル素材が「第3世代」といったところでしょうか。 一体何が違うのかというと、第2世代のHEMAハイドロゲル素材は、水を多く含み、やわらかくつけ心地がよい一方で、涙まで吸収するので乾きやすく酸素透過率が低いという難点があります。 一方で、第3世代のシリコーンハイドロゲル素材は、こうした欠点を補うために開発されたコンタクトです。HEMAハイドロゲル素材のものよりも値段は上がりますが、目に優しいコンタクトなので、「ハイスペックコンタクト」と呼ばれています。レンズの特徴としては、主に次のような点があります。 ・酸素透過率が高い ・乾燥しにくい ・形が崩れにくい シリコーンハイドロゲル素材は、何といっても酸素透過率が違います。従来のハイドロゲル素材はレンズの水分を介して目に酸素を取り込んでいました。 一方で、シリコーンハイドロゲル素材は、素材そのものがたくさんの酸素を通すため、従来のものに比べて約5倍の酸素透過率があります。コンタクト装着時でも裸眼の状態に近いとされているため、視力の低下につながるといわれる角膜内皮細胞の減少も抑制できるといわれているのです。 シリコーンハイドロゲル素材のすごさは、酸素透過率だけではありません。取り込んだ水分をキープするため、長時間つけていても乾燥を感じにくく、ドライアイのリスクも抑えられます。さらに、形が崩れにくく、脱着や洗浄もスムーズで、正しいケアができるという利点もあります。近年ではレンズの硬さを解消した目に優しいつけ心地の高含水のシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトも登場しました。 これぞ、まさにハイスペック!ハイスぺックコンタクトが、あなたの人生を豊かにしてくれるかもしれません。