間口はわずか4.5m…3方向に隣家が迫る狭い家でも心地よく暮らししたい!若手建築家がひねり出したアイデアとは…
隣家が迫る立地にある間口の狭い家にも関わらず、この家にはさまざまな方向から差しこむ光で満ちています。それはなぜなのでしょうか? 東京を拠点に活動する建築家ユニット、OOOarchitecture(オーアーキテクチュア)が手掛けた住まいをご紹介。猫とグリーンを愛する住み手と建築家3人が紡ぐプリミティブなインテリアにも注目です。 【写真集】住宅密集地の狭小住宅なのに明るいのはなぜ?愛猫と心地よく暮らす家の秘密
多方向の光を誘う住まいで愛猫と緑と暮らす
この家のメインスペースは大黒柱がそびえる2階のLDK。そこには隣家に挟まれた外観からは想像できない、光と緑に満ちた空間が広がっています。 「祖父と過ごした古家を“愛猫と植物と幸せに暮らせる住まい”に」。 知人のNさんからそう依頼された、OOOarchitectureの建築家・佐藤陽さんと馬場亮平さん、和田彦丸さん。改修を含め検討し、出した答えは“多方向から集めた光が明るく照らす住まい”への建て替えでした。
間口4.5×奥行き15mの敷地があるのはかつての長屋街。道路面の西側を除き隣家が迫るため緻密な採光プランが。 1階は高窓とスリットから光が回り込むサンルームと、天井高を抑えた水回りと寝室。
2階のLDKには大窓と天窓の他に、反射光を招く高窓と斜めに向いた出窓から柔らかな光が入ります。縦と奥行きを生かした住まいで目を引くのが、2層を貫く“箱柱”という赤茶のボックス。耐力壁で囲まれた空間で、この箱柱と大黒柱が空間に生き生きとした表情をもたらしています。
「Nさんは、どこか土っぽさのあるエスニックなテイストが好みで、古い木の家具や民族調の小物を多くもっていたんです。 箱柱に使用した壁材は、生命力を感じる木目が現れたカメルーン産・ブビンガの突板で、材木屋で一緒に選んでもらいました」と佐藤さん。
濃い色みの内装や家具がグラデーションとなり、建築と調和したプリミティブな空間で猫たちと思い思いに過ごしているとのこと。 身近な自然に包まれながらおおらかに暮らせる、躍動感あふれる住まいが完成しました。
どんな風に住みたいかを理解し、発想を提案してくれる建築家との出会いはきっと楽しいもの。臆せず相談してみましょう!