伊東輝悦が50歳まで現役を続けられた理由「若いころのイメージを追いかけたりはしなかった」
子どものような年齢の選手たちに囲まれ、大ベテランはサッカーと真摯に向き合っていった。少しずつ、気持ちが変わっていきながら。 「甲府にいる頃までは、めっちゃ試合に出たかった。次の長野へ行ったぐらいからは、しっかりトレーニングして準備はするけど、若手がピッチに立つほうがいいなと思うようになった。チームメイトに恵まれたというか、どのチームでもみんなフラットに接してくれた。それはありがたかったね」 50歳には見えない笑顔が、眩しく輝いた。 (つづく) ◆伊東輝悦・中編>>海外クラブ移籍も「ちょっとやってみたかった」 【profile】伊東輝悦(いとう・てるよし)1974年8月31日生まれ、静岡県清水市(現・静岡市清水区)出身。1993年、東海大学第一高校(現・東海大学付属翔洋高校)から清水エスパルスに入団。中盤の要として活躍し、2010年まで在籍する。その後、ヴァンフォーレ甲府、AC長野パルセイロ、ブラウブリッツ秋田と渡り歩き、2017年からアスルクラロ沼津でプレー。各世代の日本代表に選ばれ、1996年アトランタ五輪出場、1998年フランスW杯メンバーにも選出される。2024年10月に現役引退を発表し、32年間の選手生活にピリオドを打った。ポジション=MF。168cm、70kg。
戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei