20代だけど体は初老。体力ない・虚弱体質な私たちは365日“調子がいい日”はない【絶対に終電を逃さない女×ヒオカ】
虚弱体質でも健康診断は常に正常値
終電:不思議ですよね。虚弱体質っていうと風邪とかひきやすいみたいに思われませんか。子どもの頃から病弱で、みたいなイメージがあるから、ちょっとそういうのとは違うのかな。不調があって病院に行っても、「原因がわからない」って言われることが多いです。 ヒオカ:めちゃくちゃわかります。いわゆる世間の人がイメージする体が弱いって、病名がつくものじゃないですか。でも私は病名がついたことがほとんどないんですよね。健康診断上は問題なく、結果だけ見ると健康なんですよ。 終電:私も血液検査は全部正常値内です。 ヒオカ:虚弱のベクトルがちょっと違う。説明が難しいですよね。私の場合、もちろん元々の体質もあるんですけど、病院に行くと、子どもの頃の家庭内の暴力を見続けたことも不調に影響していると言われるんです。終電さんの場合、そういったことはないですか? 終電:あんまりそういう観点で考えたことなかったんですけど、夫婦喧嘩が絶えない家庭で育ちました。大人になってから知ったんですけど、面前DVに当たるんですよね。他にも、場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)で、常に学校行くの嫌だって思いながら過ごしていて、基本的に食欲があんまりなくて、給食とかも喉を通らなくて残したりとか。結構ストレスがかかって育ったかなと思います。高校に入学した頃に、咳が止まらなくなって病院に行ったんですけど、原因がわからないって言われたのですが、同じ症状が大学に入学してまた出た時に、心因性咳嗽(がいそう)というものがあると知り、症状の特徴に当てはまっていたので、ストレスが原因だったのかなと思ってます。 ヒオカ:ストレスが体に出やすい体質っていうのもあるのかもしれないですね。
私たち、早く老いてる?
終電:多くの人々が40代とかになってガタがくる感じが、21歳以降ずっとあります。「虚弱体質」っていうか、“老化が早い”のかなって思うんです。 ヒオカ:早く老いるっていう感覚、すごくわかるんです。私、多分普通の人より20年老いるのが早いんです。 親戚の一族で長生きした人がひとりもいないんですよ。私が3歳のときには母方と父方の祖父母が3人亡くなっていて、もうひとりは70代で亡くなったんですけど、みんな大体40~60代で亡くなっていて、80代まで生きた人がいないんです。私の一族の70代がこの世でいう90代くらいの大往生なんです。20歳早く老いる一族だと思うと、世間一般の人が本来40代でくる症状が、10~20代できているのもわかるなぁと。 終電:今って医療が発達してたり、栄養状態が良くなったから寿命が延びてるわけですよね。でも本来人間って50歳ぐらいで死ぬじゃないですか。多分私って、そのぐらいで死ぬんだろうなって思ってます。 ヒオカ:寿命が伸びてきたとはいえ、私の周りでは、90歳まで生きてる人って結構安定した家庭の人なんですよね。貧乏って食べるものがよくないじゃないですか。私たちは会社員じゃないから、健康診断とかも定期的に受けるわけじゃないし、絶対早く死ぬでしょうと思っています。 それに20代の時点でこんなにガタがきているのに、これから先、生きていくのが不安です。もう老後を考えますよね。
撮影/加藤夏子 取材・文/ヒオカ 構成/金澤英恵
絶対に終電を逃さない女,ヒオカ