<ヘッドフォン祭>ソニー、立体音響に特化した「MDR-MV1」をはじめモニターヘッドホンを中心に展示
フジヤエービックが主催するポータブルオーディオイベント「秋のヘッドフォン祭 2024」が11月2日にステーションコンファレンス東京で開催された。本稿では、ソニー、マス工房、G4 audio、オーディオデザイン、Leveretti Solutionsブースを紹介する。 ■立体音響制作に特化したモニターヘッドホン「MDR-MV1」からJustEarまで展開 ソニーブースでは、同社のモニターヘッドホン、ハイグレードクラスのイヤホン・ヘッドホン、そしてJust Earの製品が展示されていた。 モニターヘッドホンとして初の開放型を採用し、背面開放型音響構造を導入したヘッドホン「MDR-MV1」が設置されている。近年、立体音響技術を採用した音楽コンテンツが増える中、MDR-MV1では開放型を採用することで、定位感をはじめ、広がりや奥行きを緻密に確認できる音場再現を可能としており、立体音響コンテンツの制作に特化した仕様になっているという。 ソニー・ミュージックスタジオと共同で開発された「MDR-M1ST」、モニターヘッドホンの定番モデルである「MDR-CD900ST」、折り畳み式採用モデル「MDR-7506」も並ぶ。民生用のハイグレードモデルも置かれており、密閉型ヘッドホンのフラグシップモデル「MDR-Z1R」、 “Signatureシリーズ” にラインナップされるハイエンドイヤホン「IER-Z1R」も試聴できるようになっていた。 JustEarのアイテムでは、「XJE-MH2R」が試聴可能であり、ヴォーカル帯域のバランスを調整した「Monitor」、幅広い音楽ジャンルを楽しめる「Listening」、ダンスミュージックやライブ音源を楽しむのに適した「Club Sound」、そしてソニーのウォークマン「NW-WM1AM2」の音響設計者と協力して音質チューニングを施した「XJE-MHRWM1M2」の4種類の聴き比べが可能となっていた。 ■ヘッドホン「SUSVARA」も鳴らしきるハイエンドヘッドホンアンプ 全ての製品をハンドメイドで制作しているマス工房のブースでは、同社のフラグシップヘッドホンアンプ「model 406」の特徴を受け継いだハイエンドモデル「model 465」を展示。左右独立電源の仕様で、4つの高性能アンプを内蔵したツインバランスモノラル仕様を採用しているとのこと。 鳴らすことが非常に難しいと言われているHIFIMANのヘッドホン「SUSVARA」もしっかりとドライブできる、最大出力3.5W+3.5W以上のハイパワーを実現しているとアピール。また音量を上げていくと、多くのヘッドホンアンプは歪みが発生したり、帯域バランスの崩れが起きてしまうところ、model 465は歪むことなく、限りなくフラットに再生することができると、担当者は明かしていた。 ■多彩なバランス出力をカバーするヘッドホンアンプ「DCHP-200」 オーディオデザインブースでは、現行モデルを中心とした製品ラインナップが展開されており、ヘッドホンアンプ「DCHP-200」がメインアイテムとして置かれていた。本モデルはバランス出力に対応したモデルで、4pin XLR/3pin XLR/4.4mmバランス/6.3mmといったヘッドホン出力端子を備えている。 ディスクリート設計のアンプ出力段をはじめ、音質を最優先した信号経路レイアウト、XLR入力/RCA入力のどちらも2系統ずつ搭載するなど、音質と接続性の両面で特徴をもつ。また同ブースには、ESS社製DAC「ES9038Pr」搭載で5種類のデジタルフィルターを内蔵したUSB-DAC「DCDAC-180」、トランスに整流回路と安定化電源を使用したリニア式電源を導入しているミュージックサーバー「MS-100」といった製品も並んでいた。
編集部:長濱行太朗
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