中森明菜、歌手活動再開に期待高まる!公式YouTubeでのセルフカバーにジャズを選んだワケは?
松田聖子もジャズ。逆に高まる日本っぽさ
2017年以来、松田聖子はジャズアルバムを3作リリース。直近のアルバムでは、自身のヒット曲「赤いスイートピー」を英語でリメイクしています。 こちらはジャズといってもフュージョン、イージーリスニング寄りのサウンドで、参加メンバーには、エリック・クラプトンとの共演でも有名なベーシスト、ネイザン・イーストもいます。そして、このジャズバージョンの「赤いスイートピー」も、中森明菜の“JAZZ”と同じように作用しているのです。 大人びて、洗練されたハーモニーに、歌も楽器もシャレた言い回しを小声でささやくようなフレージングを積み重ねても、松任谷由実のメロディは、決して日本的であることをやめません。日本語の発想で生まれたメロディと英語詞のアクセントが反発しあうことで、余計に日本っぽさの濃度が高まる。 きっとそれは松田聖子の求めたものではなかったはずです。しかしながら、この逃れられないセーフティーネットによって、松田聖子という歌手は歌謡曲に守られていることを示すパフォーマンスでした。
明菜と聖子、かつてのライバルがジャズに取り組む
中森明菜と松田聖子。異なるキャリアを歩んできたかつてのライバルが、同じ年にジャズに取り組む奇遇。いつかお互いのヒット曲をジャズアレンジでカバーしあうなんて時が訪れるのでしょうか。 もし実現すれば、昭和歌謡史のラストシーンにふさわしい共演となることでしょう。 <文/石黒隆之> 【石黒隆之】 音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
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