イランの攻撃実施、市場に新たな波乱リスク-警戒される報復の連鎖
「イランの攻撃後、中東市場は比較的平穏にスタートした。攻撃はエスカレートの試みというより、むしろ慎重な報復と受け止められた」と、イースト・キャピタルのシニアコンサルタント、エムレ・アクチャクマク氏は分析。「しかし、原油やエネルギー価格への二次的影響により、市場への影響は中東以外にも及ぶ可能性があり、世界のインフレ見通しにも影響を与えるとみられる」と語った。
アンドバンクのシニア株式ファンドマネジャー、ゴンザロ・ラーディース氏は「新たな不確実性の環境が幕を開けた。ただ、12日の市場はこの状況をすでに部分的に織り込んでいたため、さらに事態が悪化しなければ影響はそれほど大きくないはずだ。リスクは事態のエスカレートおよび中東地域での飛び火だ」と述べた。
バンク・ジュリアス・ベアのアジア調査責任者、マーク・マシューズ氏(シンガポール在勤)は「イランが今回の攻撃について事前に警告していたことは良いことだ。軍事アナリストによれば、犠牲を最小限に抑える方法で攻撃は行われた」と指摘。「イランは危機を和らげようとしており、米国も同様だ。鍵となるのはイスラエルの反応と、それに対するイランの動きだ。イスラエルがさらなるエスカレートを招かないような攻撃にとどめ、イランがさらに非エスカレーション的な攻撃を行えば、それで終わりになるだろう」と語った。
原題:Markets Weigh Up Risk of Retaliation-Cycle as Iran Hits Israel(抜粋)
--取材協力:Macarena Munoz Montijano、Allegra Catelli、Alice Gledhill、Anthony Di Paola.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Srinivasan Sivabalan, Ye Xie, Thyagaraju Adinarayan