空冷911の最後を飾るレン・シュポルト【1】73カレラRSを祖にもつモデル
【ハチマルユーロー第22回 1995年式 ポルシェ 911 カレラRS】 空冷911ハードコアモデルのファイナルアンサー 【画像16枚】ボンネットには、おなじみのポルシェのロゴマーク。ちなみに「sch」はドイツ語の綴で、日本語で言うサ行にあたる。例として「die Schule 学校(読み方は ディー シューレ)」などがある。ホイールは、オーナーの好みでWORKのドイツ車用アロイ「BROMBACHER」を装着。左右のデュアルマフラーからは、野太いフラット6サウンドが放出される 1973年モデルとして登場した伝説の「73カレラRS」こと911カレラRS2.7に端を発する、軽量かつ高性能なポルシェ911は「RS(レン・シュポルト=レーシングスポーツ)」の名が示すとおり、モータースポーツへの参戦を強く意識したモデルである。その系譜は73年の「カレラRS2.7」、翌74年に「カレラRS3.0」がそれぞれ限定生産されたのち、久しく途絶えることになる。 長き沈黙が破られたのは、911が964シリーズに進化していた92年。後輪駆動モデルのカレラ2に、18年ぶりのRS版が限定で追加されたのだ。 「911カレラ2RS」と命名された新型車は、ポルシェ本社が公式開催していたアマチュア向けワンメイクレース「カレラカップ」専用車両をベースに、当時から隆盛の兆しを見せていた国際GTレースのホモロゲートを期して製作されたもの。大胆な軽量化と締め上げたシャシーがもたらす走りは、RSの名にふさわしいものだった。 しかし964時代のカレラ2RSは、911が空冷最後のモデルとなる993系へとモデルチェンジを果たす92年に約2000台(+北米モデルが約800台)のみを限定生産して、歴史に幕を閉じた。 主要諸元 SPECIFICATIONS 1995年式 ポルシェ 911 カレラRS 全長×全幅×全高(mm) 4245×1730×1270 ホイールベース(mm) 2270 トレッド(mm) 1410/1455(前/後) 車両重量(kg) 1320 エンジン種類 空冷水平対向6気筒SOHC12バルブ 総排気量(cc) 3745 内径×行程(mm) 102.0×76.4 圧縮比 11.3:1 最高出力(ps/rpm) 300/6500 最大トルク(kg-m/rpm) 35.5/5400 サスペンション前/後 マクファーソンストラット・タイプ・アクスル+コイル/マルチリンク・サスペンション LSAシステム式 ブレーキ 前後ともベンチレーテッドディスク タイヤサイズ 前225/40ZR18 後265/35ZR18 初出:ハチマルヒーロー 2017年9月号 Vol.43 ハチマルユーロー Volume.22 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部