嶋基宏に続き大功労者がまたも楽天を退団 長期的に愛される球団になれるのか
楽天から自由契約となることが決まった田中将大投手(36)が26日、楽天モバイルで取材に応じ、退団を決断した理由を明かした。減額制限(年俸1億円超は40%)を超える年俸提示を受けた楽天との交渉の中で「もう期待はされていない」「居場所がない」と感じたと説明。「やりがいを感じるところでやりたい」とNPB他球団のオファーを待つ考えを明かした。 * * * * * 田中将もまた、楽天以外で引退を迎える可能性が高くなった。「最後までイーグルスでプレーすることができれば、ベストだと思いますが、こればかりは、仕方ない」と吐露した。 楽天を自由契約となって移籍した選手には、2013年の日本一達成時に田中将とバッテリーを組んでいた嶋基宏がいる。19年オフに減額制限を超えるダウン提示を受け、自由契約を選択してヤクルトに移籍し、22年限りで引退。現在はヤクルトでヘッドコーチを務めている。本来であれば、楽天の指導者にふさわしい功労者だったはずだ。 04年に誕生した楽天にあって、田中将は嶋と同様、象徴的存在といえる。今季唯一の登板は9月28日のオリックス戦(楽天モバイル)。5回4失点と結果を残せなかったが、球団関係者は「登板日が決まった瞬間に一瞬にしてチケットが全部売れた」と驚いていた。13年の優勝は、11年の東日本大震災で甚大な被害を受けた人々を勇気づけた。仙台、東北のファンにとって田中将の存在は、とてつもなく大きい。 結果を残せなかった田中将に対し、大幅なダウン提示は仕方ない。それでも、大功労者がキャリア終盤に球団と決裂する形で東北を去ることにさみしさを感じたファンは多く、長期的に愛され続ける球団づくりという意味では疑問が残る。(楽天担当・太田 和樹)
報知新聞社