「人に何を言われてもいい」 独自の道を歩みつづける卓球学生女王・出澤杏佳
2024年10月の全日本学生卓球で堂々の2連覇を達成した出澤。その後、自身にとって初参戦となったWTT(国際大会)2連戦の2大会目で初優勝。世界に羽ばたこうとしている出澤は、マイペースに、グイグイと、自らの路を切り拓いている。 ●─全日学2連覇おめでとうございます。序盤の調子が良くなかったとか。 出澤 ありがとうございます。試合が多く技術練習が不足し、自分の良し悪しがわからない状態でしたが、監督やコーチに相談し、大会直前に集中的に練習できました。ただ、全日本団体やTリーグもあり、疲労困憊でした。 ●─決勝戦は3度目でしたね。 出澤 決勝の経験があったので、「勝ちたい」と焦らず1点をどう取るかを考えられました。指導してくださったOGの森澤幸子さんや応援してくださった皆さんに恩返しができて嬉しかったです。 ●─WTTフィーダー初優勝もおめでとうございます。 出澤 トラブル続きで優勝は予想外でしたが、国内でのハードな移動経験が役立ちました。初のひとりでの海外遠征でしたが、プレッシャーを感じずに臨めたことが良い結果につながりました。今後は全日本での結果を重視しつつ、出られる国際大会には挑戦していくつもりです。 ●─試合中のクールさの裏に強い情熱がありますね。 出澤 勝ちたい気持ちは強いですが、冷静さを保つよう心がけています。 ●─今の自分についてどう思いますか? 出澤 マイペースで、わからないことはすぐ人に聞きます。今は忙しいし、目標もあるので、「人に何を言われてもいい」と思うようになりました。良い意味で図太くなれたと思います(笑)。 ■出澤杏佳[専修大]いでさわ・きょうか 2002年6月28日生まれ、茨城県出身。小学1年で卓球を始め、日立大沼卓球クラブで小貫美穂子から指導を受け、12年全日本カブ準優勝。四天王寺中に進むも、茨城の泉丘中に転校。大成女子高1年時に全日本ジュニア優勝。専修大に進学してチームの主力として活躍しながらTリーグにも出場。全日学では22年準優勝、23・24年2連覇。23年ワールドユニバーシティゲームズ銀メダル。右シェーク表ソフト・粒高攻守型