【混迷】「市長と議会は仲良くできないのか」駅前のホテル建設計画 3億6000万円の補助金合意も頓挫 8200万円の損害賠償訴訟に発展 市民から早期建設や議会との歩み寄り求める声
JR飯山駅前(長野県飯山市)のホテル建設を巡り、12月14日、市長による住民説明会が開かれました。「市の対応で事業が遅延した」として、事業者から損害賠償を求め提訴されるなど、建設の見通しは立っておらず、参加者からは、早期建設や市長と議会との歩み寄りを求める声などが上がりました。 【画像】ホテル建設計画 これまでの経過
飯山市・江沢岸生市長: 「駅前に宿泊施設は必要との考えに変わりはございませんし、駅前市有地をそのままにしておくわけにはまいりません」 16日、開かれた飯山駅前ホテルについての住民説明会。 江沢岸生市長は、改めて、「駅前にホテルは必要」との考えを示しました。
ただ、事態は混迷を極めています。 駅前のホテル建設は、市が誘致してきたもので、公募に応じた地元経営者らでつくる「飯山ホテル」に当初、上限5億円を補助する方針でした。 その後、事業の検証を掲げて当選した江沢市長が「補助金の支出はしかねる」と表明。 市と「飯山ホテル」は2023年7月から民事調停で協議し、「ホテルを8階から4階に縮小」「補助金の上限は3億6000万円」とすることなどで合意しました。 事業を進めるには、市議会の承認が必要でしたが、調停の内容の説明を求める議会側に対し、市長は「守秘義務がある」として応じず、市長と議会の対立により、調停案は否決されました。 市は協議を続ける意向でしたが、「飯山ホテル」は「これ以上、進展が見込めない」として、調停の申し立てを取り下げ、さらに、「市の対応が遅延を招いた」として設計費など約8200万円の損害賠償を求め提訴しました。
説明会は、「計画の現状がわからない」という市民の声を受けて開いたもので、市長は、補助金の支出を、一転して認めた理由を次の様に説明しました。 飯山市・江沢岸生市長: 「4階建てのホテル建設の提案が示されたことを高く評価して、補助金の支出について判断を変えました」 住民からは、議会との関係についての質問が上がりました。 住民: 「説明がないよと否決されるのは当然かなという気がするんですけど、市長さんと議会の間の話が一体どうなっている?」 飯山市・江沢岸生市長: 「説明できなかった部分がございますので、もう一度、12月議会にということで、調停委員会の場で(議会への説明で)合意をして進めていこうとしていたんですけども、ホテルさんが調停を申し立てを取り下げられましたので」 多く上がったのは、早期建設を求める声です。 住民: 「任期の間に駅前ホテル建設のめどをしっかり立てていただきたいと思います。意気込みをお願いします」 飯山市・江沢岸生市長: 「待ち望んでいるという方々の気持ちを思えば、任期中どころか、少しでも早くそういう見込みをけたい」 説明会を聞いた住民は― 住民: 「議会と行政側がなんかすれ違っているような感じがするな、もう少しお互いに仲良くしてもらいたい」 「お客さんが大勢来ていただいて、飯山市がもっと発展していけばいいかなとそれを願うのみです」 説明会の後、市長は― 飯山市・江沢岸生市長: 「一日も早くみんなが、一緒にこの地域をしっかりつくっていこうという気持ちになれるよう、そういう気持ちが非常に強いということが改めて分かりました。もっとみんなが一つになって取り組める状況を作り出していきたい」
長野放送
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