【毎日書評】問題『2本の線香で45分を計るには?』フラットな視点で解く「水平思考」にトライ
逆転の発想をする力はあるか?
馬に乗っている2人に、王様がこう言った。 「2人で競争をして、勝った馬の主に宝を与えよう。ただし、後にゴールした方を勝ちとする」 そこで2人は、相手より先にゴールしないよう、のろのろとレースをしていた。 このままでは、いつまでも勝負がつかない。 だが、通りかかった賢者が「あること」を提案した結果、2人はものすごい速度でゴールへ向かっていった。 賢者は何と言ったのだろうか?(148ページより) これは古くからある有名な問題をアレンジした“発想力だけの問題”で、思考の柔軟性が求められるそう。 勝利の条件は「自分が相手より後にゴールすること」のように見えますが、よく確認してみれば王様は「勝った馬の主に宝を与える」と発言しています。「勝った人」ではなく、「勝った馬」と言っているところがポイント。勝利条件は「自分の馬が後でゴールすること」なので、「相手の馬が先にゴールすれば勝てる」ということです。 したがって、お互いの馬を入れ替えてレースをすれば、その馬で先にゴールしたほうが勝ちになります。王様はこの方法を提案したため、2人は全速力でゴールに向かったわけです。 このように、解決策に辿り着くのが難しく感じたときは、解決の条件を別の角度から眺めてみると、本当に実現しなくてはいけないことがわかります。(150ページより) 「外してはいけないポイント」が明確になると、それ以外の部分は変えていいんだと、思考の自由度が格段に上がるということです。(148ページより) 「問題は複雑である」という感情や思い込みが「論理」を脇に追いやり、問題を複雑にしてしまうのだと著者は指摘しています。 もちろん論理を隠している障害を排除し、問題をシンプルに考えることは簡単ではないでしょう。しかし、だからこそ「論理的に考える力」を鍛える必要があるわけです。そういう意味でも、本書で紹介されている問題を楽しみながら、ぜひとも論理的思考を身につけたいものです。 >>Kindle unlimited、2カ月無料で読み放題キャンペーン中! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: ダイヤモンド社
印南敦史