S&P500×金は最強コンビ? 大躍進の投信「Tracers S&P500ゴールドプラス」をレビュー
米株×金のレバレッジ商品
Tracers S&P500ゴールドプラスは、名称だけを見ると、S&P500×金の分散型投信に見える。だが、同商品にはレバレッジが掛けられており、注意が必要だ。簡単に言えば、「月1万円分の米株投資にレバレッジをかけ、月2万円相当の金+米株に投資をする」という仕組みである。 株式部分については、基本的に「インデックスマザーファンド米国株式」を通じてS&P500指数との連動を目指した投資を行い、一部で先物取引を活用する。なお、同マザーファンドで構成される上位5つの銘柄はアップル、マイクロソフト、エヌビディア、アマゾン、メタだ。前者3つの構成比率はそれぞれ5%以上、後者2つは3%前後である。 金部分に関しては金先物取引を活用し、「買建総額が、信託財産の純資産総額の100%相当額となるよう投資を行なう」としている。株式への投資をもとに、金でレバレッジをかけるという構成なのだ。
高いパフォーマンスを発揮
同投信は2022年8月31日に設定された。基準価額は当初の1万円からちょうど1年後には1万2000円台を推移、その後も上昇し続けている。今年7月下旬から8月上旬にかけては、S&P500の下落に釣られて価格が落ち込んだが、その後に復活。11月現在、2万2000円台を推移している。 ゴルプラは、S&P500よりもパフォーマンスは良い。設定日から23年4月までの間、S&P500は4000前後を横ばいに推移していたが、同投信は10%以上も上昇した。日興によると米国株式や金先物よりも上昇率は高いとしており、金価格上昇とレバレッジの効果が発揮されていることが分かる。 なお、信託報酬は0.1991%。参考までにS&P500連動型のインデックスファンドでは0.1%以下の商品も多く、それらよりは高い点は認識しておくべきだ。一方で日経・JPX金レバレッジ指数との連動を目指す「NEXT NOTES 金先物 ダブル・ブル ETN」の報酬0.80%よりは低い。