自民非公認、萩生田氏事務所に石破総裁の為書きなし…第一声に閣僚経験者 衆院東京24区
「かつてない厳しい選挙だ」「つくづく試練を与えてくれた」「公認があろうがなかろうが…」
萩生田氏が12日に市内で行った事務所開きでは、マイクを握った陣営幹部らが口々に複雑な心境をのぞかせた。
事務所には自民党の石井準一参院国対委員長や斎藤健前経産相らが選挙用応援ポスター「為書き」を寄せたが、石破総裁の必勝の為書きはなかった。
今回の選挙は無所属となるため、比例代表との重複立候補ができず復活当選の道が閉ざされる。さらに政見放送の出演や政党用ポスターの掲示ができないなど、前回までと異なるハンディを抱えての戦いを余儀なくされる。
萩生田氏は12日、「もともと自民党の萩生田ではなく八王子の萩生田として戦ってきたので、まさに原点に戻ったような、すがすがしさも感じる。逆に結束は強まっている」と記者団に語った。不記載事件に関しては、経緯を説明してきた記者会見の中身や声明などをネット上でアクセスしやすくする仕組みを検討するとも強調した。
■対立候補「グループ外の声の反映を」
ただ、旧統一教会の関連団体との関係について、「すべてズブズブだという言葉をマスコミで使う人もいるが、私にとって地元で接点のあった一団体との関わりだ。それ以上でもそれ以下でもない」と強調し、一部報道の表現ぶりについては苦言を呈した。
SNS上では萩生田氏への批判的な投稿も目立つが、萩生田氏の陣営の幹部は「なにくそだ。今までの選挙に比べて、団結は強まった」と強調。ベテランの支援者も萩生田氏について「私腹をこやすやつじゃない。体が大きいから態度がでかく見えるだけだ」と批判を打ち消す。
一方、東京24区に立候補した日本維新の会の新人の佐藤由美氏(52)は萩生田氏について、「内輪で結束を固めているが、(萩生田氏の)グループに入らない人の声を国政に反映してこなかったのではないか」と疑問視し、不記載事件を巡っても「派閥に与えられたノルマを一生懸命売ろうとして頑張っただけで、悪くないという思いが記者会見などで出てしまっている。そこは市民とのギャップではないか」と指摘した。
24区には参政党新人の与倉さゆり氏(40)、無所属新人の畑尻文夫氏(69)、国民民主党新人の浦川祐輔氏(31)も立候補した。(奥原慎平)