ジュリアは「女子プロレス界のために」海外へ スターダム退団と新団体の旗揚げに加わった理由
【夢を叶えるために「自分がデッカくならなきゃいけない」】 ――ジュリア選手はケガで欠場中も大会に同行し、オープニングで挨拶をしていましたね。 ジュリア:もともとマリーゴールドでの活動は短期間、という中での事故だったので、このまま普通に欠場してたら入団した意味が本当になくなってしまうと思って、「欠場中でもできる限りのことはしよう」と。それで試合前に、リング上からファンに挨拶しました。 ――マリーゴールドに対する愛情を感じますね。 ジュリア:自分でもそう思いますよ(笑)。本当だったら、もっときちんとした組織になるまでマリーゴールドを離れたくない。でも、私はずっと「日本でプロレスを若い世代、世間の人たちに届けたい」と思ってやってきました。 そのためには、「一度、海を渡って私がもっと大きくなり、日本に戻ってからでなきゃ叶えられない」と。まずは、自分がデッカくならなきゃいけない。もう30歳ですし、「これがラストチャンスだ」と思って海外挑戦を決断しました。きっと残った選手たちが必死になってやってくれる。そう信じてます。 「何を発信していくか」「試合で見せるべきものは何か」とか、今の段階のマリーゴールドでは私にしか伝えられない感覚がある。プロレスとほかのエンターテイメントの差別化は絶対に必要だと思うので。アメリカに行くまでの期間で、少しでもその思いをほかの選手たちに伝えたい。それが自分の使命かなって。ゆくゆくは、それが女子プロレス界のためになると思っています。 (後編:Sareeeに抱いた人生初の感情「嫉妬するって、こういうことなんだ」>>) <プロフィール>ジュリア 1994年2月21日生まれ、イギリス出身。162cm。2017年7月にアイスリボンのプロレスサークルに入会。同年10月29日にプロレスデビューを果たす。2019年11月にスターダム入団。2020年1月4日、新日本プロレス・東京ドーム大会に出場。1月19日、新ユニット「ドンナ・デル・モンド」を結成。同年に3月24日、STARDOM Cinderella tournamentを優勝するなど、2020年度プロレス大賞・女子プロレス大賞を受賞した。2022年10月1日に5★STAR GP 初制覇し、12月29日にワールド・オブ・スターダム王座を奪取。2024年3月にスターダムを退団し、ロッシー小川らと共にマリーゴールドを旗揚げした
大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi