低迷続く西武、敢行した電撃トレード “指揮官”が明かす真意「きっかけが必要だった」
「石川慎吾さんが移籍先で活躍されているのを見てきた」
2022年オフに現役ドラフトが導入されたこともあって、移籍をきっかけにブレークする選手が増え、かつて“放出”というネガティブなイメージが拭えなかったトレードも、前向きにとらえられるようになってきた。チームが変わり、指導者が変わり、気持ちが変わることによって、想像を絶する変貌を見せる選手がいる。 実際、DeNAでプロ入りから6年間鳴かず飛ばずだった細川成也外野手は、現役ドラフトで中日に移籍した昨季、いきなり24本塁打を量産。今季も主に4番を任されている。ソフトバンクで5年間、1軍出場が1度もなかった水谷瞬外野手は、現役ドラフトで日本ハム入りした今季、セ・パ交流戦MVPを獲得するなど大ブレークを果たしている。こうした選手が新天地を与えられず、元のチームで埋まれたまま終わっていたとしたら、球界にとって大きな損失だっただろう。 松原も悔しさを抱えつつ、「ロッテに移籍した石川慎吾(外野手)さんが、ジャイアンツにいた時よりも活躍されているのを見てきたので、自分もまた気持ち新たに頑張れます」と移籍を前向きにとらえようとしている。 松原も若林も、この日は出場選手登録を見送られ、入団会見即1軍戦出場とはいかなかった。渡辺代行は「いつ1軍に呼ぶかは決まっていないけれど、『しっかり準備しておいてほしい』と伝えました」と明かす。両選手にとって移籍が飛躍のきっかとなり、“ウィンウィン”の結果になれば何よりだ。
宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki