<春に挑む・’20センバツ創成館>チーム力/3 貫く「攻めの守備」 /長崎
2019年秋の九州地区大会県予選6試合で1失策、九州地区大会は3試合で無失策と堅実な守備を誇る創成館。明豊(大分)との九州地区大会準決勝は2―3で敗れたが、併殺を3度奪うなどして強打のチーム相手にロースコアの接戦を演じた。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 長崎商との県予選準々決勝では、野手担当の末永知昭コーチも「見事な守備」とたたえるプレーが出た。1点リードで迎えた九回表、相手が強烈な中越え打を放ち三塁を狙ったが、野手たちは素早い中継プレーで三塁まで返球し、江原叶琉(かなる)選手(2年)が間一髪でタッチアウトにした。 高い守備力は、「この一球を取りこぼせばサヨナラ負け」と想定した厳しいノック練習などで培われた。九州地区大会で江原選手と二遊間を守った遊撃手、松尾力基(りき)選手(同)はノック練習後、セカンドの選手と「ポジション練習」に取り組む。「二遊間は併殺に絡むことの多い守備の要」と責任を口にする。 ノック練習では、グラウンドに鎖や棒などを置くこともある。当たった球が思わぬ方向にはじかれるため、イレギュラーバウンドに対応する力を高める狙いがある。素早い返球を可能にするボールの握り替えなどの練習にも余念が無い。 九州地区大会での無失策を稙田(わさだ)龍生監督は評価するが「記録には残らなくても、『見えないエラー』はいっぱいある」とも話す。「本来ならゴロに仕留められたはずの球が安打になったりしている。当たり前を徹底すると共に、より高いレベルの守備も目指す」と指導する。 1年生の頃から数多くの試合に出場してきた経験の豊富さを買われ、試合中に選手に指示や助言を出すゲームキャプテンを務める松尾選手は、「失策せず守り勝つ創成館の野球スタイルを皆に教え、全員で果敢にアウトを取りにいく」。全国の舞台でも「攻めの守備」を貫く決意を語った。 〔長崎版〕