おなじみの井上テーマソング サーカスがハーモニー響かせる 長野県松本市
長野県松本地域に暮らす人であれば多くが耳にしたことのある、井上百貨店(松本市深志2)のテーマソング「メロディーフェアへようこそ」。同店100周年の節目に誕生したこの曲は、昭和50年代に一世を風靡(ふうび)したコーラスグループ・サーカスによって歌われている。耳なじみの一方、詳細は知られない作品だが、27日に松本市内で開かれたサーカスのコンサートでサプライズ披露され、会場を埋めた約1500人を沸かせた。 ♪街はメロディーフェア 花吹雪を… キッセイ文化ホールで開かれたコンサートのプログラム後半。曲名を伏せたまま、サーカスの4人が井上のテーマソングを歌い始めると、会場からは驚きと共に手拍子が起こった。「他では絶対に歌わない」(サーカス)が、松本に行くならぜひこの曲をと4人の意見が一致したという。リーダーの叶(かのう)高さんは「(井上本店は)来年春までと聞くが、運動を起こせばもうちょっと長く続くのでは」と会場を沸かせていた。 関係者によると、テーマソングは創業100周年の記念事業で製作され、以後約40年にわたって店内のBGMやCMに使われてきた。完成当時、井上の屋上でサーカスが歌ったこともあったという。生演奏はその時以来。CD販売などはしておらず、サーカスが歌っていることを知らない市民は少なくない。 コンサートを主催した一般財団法人・民主音楽協会(MIN―ON)の計らいもあり、サプライズ披露が実現した。会場で聴いた井上の井上裕社長は「生演奏に鳥肌が立つような感動を覚えた。本店閉店後も(事業集約する東筑摩郡山形村の商業施設)アイシティで大切に使い続けたい」と感じ入っていた。
市民タイムス