香妻陣一朗は緊急ミーティングでマイアミに飛んだ LIV団体戦を解剖
香妻が「アイアンヘッズGC」に決まったのは、開幕3週前だった。「いろいろ契約の話とかも大変だったり、けっこうLIV側もバタバタしていたみたいで」。チームの緊急ミーティングはフロリダ州のマイアミで行われた。香妻は家族旅行先だったハワイから単身で当地に向かい、3日間の滞在を経て家族のもとにとんぼ返り。直後にグアムで結婚式を行い、すぐさま開幕のメキシコにやってくるという弾丸ツアーを経験してきた。 チームキャプテンのナと面識はなかったが、「うちのチームで一緒に頑張ろう」と激励を受け、チームでの話し合い、プロモーション用の写真撮影を行った。「チームでは食事には行けなかったんですが、ケビンがみんなにピザをふるまってくれました」。それからは韓国で人気のメッセージアプリ「カカオトーク」で仲間と頻繁にやり取りしているという。
試合前の準備はチームによって様々。時間を決めて一緒に練習をするところもあれば、個々で好き勝手にラウンドをするチームもある。フィル・ミケルソンの「ハイフライヤーズGC」などは、実に規律正しく、キャプテンに率いられて「練習→練習ラウンド」をこなしていた。開幕前日の夕方にはミーティングを行うなど、まさに“チーム感”が強い。 一方で香妻のチームはというと「ラウンドはたまに一緒にするらしいですけど、基本は『自由でいいよ』というスタンスでした」。関係性はこれから構築していく方針のようだ。
香妻はチーム戦の実感がまだわかないと前置きしつつも、「たぶん、上位にみんなが絡んできたら最終日に向けて盛り上がってくると思うんですよね。自分のチームの選手が優勝争いなどしていたら試合終わってから会いに行くと思いますし、そういうのは普段ないから、やっぱり楽しいっすよね」と今からワクワク。「もし誰かが勝ったら、みんなで飯食ったりとかするんだろうな」。楽しみは広がるばかりだ。 ことしは年間のポイントレースで13試合目までに12位以内に入ったチームが最終戦「チームチャンピオンシップ」出場できる(13位のチームも参加する)。香妻は初日、12番ホールからケーレブ・サーラット(リージョン13)、リチャード・ブランド(クリークスGC/イングランド)と同組でプレーする。(キンタナロー州プラヤデルカルメン/服部謙二郎)