内藤哲也に一騎打ちを迫るジュニア戦士・高橋ヒロム 悲願を達成するための奥の手は「無差別級王座」
【柴田惣一のプロレス現在過去未来】
ザック・セイバーJrの初優勝で幕を閉じた今年のG1 CLIMAX。1か月に渡って日本の、いや世界のプロレスファンの視線を集めていたが、フィナーレと同時にこの間、水面下で燃え盛っていた様々なバトルが一気に浮上している。 <動画>【神奈月×高橋ヒロム】レジェンド長州力と無表情で対談してみた! 中でも注目されるのが「ドリームキャッチャー」高橋ヒロムの野望。ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの盟友であり、IWGP世界ヘビー級・内藤哲也とNEVER無差別級王者として一騎打ちする夢だ。 ヒロムVS内藤と言えば、2020年の旗揚げ記念大会(3・3東京・大田区大会)での対戦が決定していたがコロナ禍で中止。その後も対決機運はいく度となく盛り上がったが、時は来なかった。 それでも今年7・5東京武道館大会の6人タッグマッチで対戦。やりあうことで、いよいよ待ったなしとなった。ヒロムは「俺はNEVER無差別王者として、IWGP世界ヘビー級王者のアナタの前に立つ」と内藤に王者対決を突きつける。内藤も「タイトルマッチしかもメインイベントだ」と応じた。ジュニア戦士であるヒロムが内藤との一騎打ちを勝ち取るには、無差別級ベルトが最高の切符となる。 G1の熱闘を横目に、ヒロムはやってのける。8・17東京・両国大会の8人タッグマッチでNEVER無差別級王者・HERAREからピンフォール勝ち。HENAREに「このベルトが欲しいのか。真実を、魂を、本当のマナを見せてやる」と言わしめた。 9・9東京・後楽園ホール大会でヒロムとHENAREのタイトルマッチが決まった。思惑通り、実力行使で無差別級ベルトに王手をかけたのだ。この日のメインイベントと決まり「ジュニアVSヘビー これがNEVER無差別級の醍醐味でしょ」とほくそ笑む。 無論、HERENAも簡単に王座を明け渡すつもりはない。「本当のマナを見せる」と怖い顔だ。ニュージーランド出身のヘナーレは太平洋諸島地域で信仰されている神聖で神秘の力「マナ」でヒロムの夢を粉々に打ち砕くというわけだ。 ヒロムが内藤との4年越しの対戦を勝ち取るのは、そう簡単ではなさそうだが、この4年は決して無駄ではなかった。様々な団体に乗り込み、デスマッチも体験。海外マットにも遠征し、経験値が大幅にアップ。ファイトの幅を広げてきた。ジュニア戦士でありながらプロレス大賞のMVP候補者にリストアップされてもいる。 個人ファンクラブ「HR(ヒロルーム)」を開設するなど、ファイトに加え多彩な才能を駆使し、人気を集めている。 「4年前、そして12年前の約束、いや、あなたとの誓いを果たしたいんだ」と7・5決戦で内藤に訴えかけた。12年といえば、干支も一巡する。ヒロムのレスラー修行も一区切り。12年の成果を披露し、もうワンステップ上がるためにも、打倒・内藤しかない。 ヒロムの本名は「広夢」広い大きな夢。4年どころか12年越しの悲願をつかみ取るために、まずはHENAREのマナを乗り越えられるか。ヒロムの勇姿が楽しみだ。 <写真提供:新日本プロレス>
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