《ブラジル》巨大鍋でフェイジョアーダ調理=ショベルカーで2200食分
パラナ州中部プルデントポリス市で毎年恒例の「全国黒豆祭り(Fenafep)」が9~12日まで開催され、多くの家族連れで賑わった。目玉は、巨大鍋で煮込まれるフェイジョアーダ(黒豆とともに豚や牛の内臓や干し肉、ソーセージなどを長時間煮込んだブラジル伝統料理)で、調理にはショベルカーとタンクローリーが出動し豪快に調理された。今年はギネスブック申請を行ったと17日付G1サイトが報じた。 州農務局(Seab)によれば、パラナ州は国内最大の黒豆生産地で、中でもプルデントポリス市は国内で最も多くの黒豆を生産している自治体だ。国内で生産されている全種類の豆においても、トップ10に入る。地理統計院(IBGE)の2022年の最新データによると、同州は全国の豆生産量の4分の1以上(26%)を占めている。 同市によれば、今年第13回目を迎えた同祭には、5日間通して約6万5千人の来場者が集まった。今年は1・8トンの材料を用いて約2200食分のフェイジョアーダが一度に調理された。年々増加しており、2022年には1500食、23年には1700食だった。 このフェイジョアーダは高さ2メートル、周囲9メートル、重さ約12トンの巨大鍋で調理された。この鍋はブラジル国内の記録を提供する「ランク・ブラジル」によって国内最大と認定されており、鍋を温めるためには約7立方メートルの薪が必要だ。 この大規模な調理では、タンクローリーで鍋に水を注ぎ、特注巨大スプーンが取り付けられた長さ4メートルのアームを持つショベルカーを使って食材をかき混ぜる作業が行われた。 下処理の時間を除き、今年のフェイジョアーダ調理には約8時間を要した。1300キログラムの加工肉と燻製肉、500キログラムの豆、1千リットルの水が使用され、約50人のスタッフがこの作業に従事した。販売から得られた利益は社会事業サービス(SOS)の活動資金に充てられる。 材料はすべて移動式の冷蔵室で運ばれ、食材の安全管理が徹底された。材料のカット、干し肉の塩抜き、下茹でなどの調理作業は3日前から始まった。前日には鍋の清掃と消毒作業も行われ、販売当日の午前2時に煮込みが開始された。 調理ボランティアとして参加したエゼキエル・シンセンさんによると、タンクローリーで鍋に水が注がれ、沸騰するまでに約2時間かかると言い、「材料を入れ始めたら午前11時に販売開始するまで、かき混ぜ続けなければいけません。労力はかかるものの、慈善活動に参加することに私は大きな誇りを持っています。舞台裏はあわただしいですが、やりがいがありますよ」とコメントした。 また市はこのフェイジョアーダが世界最大として認定されることを目指しており、今年初めてギネスブックへの申請を明らかにした。 同イベントには入場無料のコンサート、展示フェア、講演会、マラソン、グルメエリア、ヘリコプター体験、ジップラインなどのアトラクションも開催された。 2023/24農年の同州の豆収穫量は82万1千トンと予測され、前年度より20%増加している。来年のフェイジョアーダも、さらに大規模で豪華なものになることが期待されている。