深夜でも「信号無視」は絶対にNG? 車や人がいない状態でも、警察に見つかったら「罰金」など払うことになるの? 元警察官の筆者が解説!
深夜に赤信号で停車しているとき、自分以外の車や歩行者が周囲にいなければ、信号無視をしても問題がないような気がするかもしれません。しかし、いくら誰もいない状態でも信号無視をしてはいけません。 本記事では元警察官の筆者が、誰もいない状態でも信号無視をしてはいけない理由や、信号無視で警察に捕まるとどのような処分を受けるのかを解説します。 ▼町内会費の支払いを拒否したら「今後ゴミを捨てるな」と言われた! 本当に従う必要はあるの?
誰もいない深夜なら信号無視をしてもよい?
誰もいないからといって信号無視はできません。なぜなら、人がいないからといって信号を無視してよいとは道路交通法のどこにも書かれていないからです。そのような、思わず信号無視をしたくなってしまう信号機の近くには警察が隠れていることも珍しくなく、見つかれば当然検挙されます。 また、深夜は周囲の明かりも消えて暗くなるため見通しが悪くなります。誰もいないと思っていても、無灯火の自転車などが急に出てくることもありますし、猛スピードで走ってくる車もいるでしょう。深夜の運転は、交通量の多い時間帯とは異なる視点で注意しなければならない点からも、信号無視をしてはいけないのです。
信号無視するとどのような罰を受ける?
信号無視をして警察に捕まるとどのような処罰を受けるのでしょうか。 ■信号無視の規定 信号無視は道路交通法第7条で「道路を通行する歩行者等又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等に従わなければならない。」と定められています。 罰則は車などで故意に(わざと)無視した場合は「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」、過失(うっかり)の場合は「10万円以下の罰金」です。このほかに違反点数として2点が減点されます。なお、歩行者の場合は「2万円以下の罰金または科料」です。 ■交通反則通告制度 しかし、一般的に信号無視は「交通反則通告制度」によって処理されます。いわゆる「青切符」を切られることです。というのも、懲役や罰金で処理するには刑事手続きと呼ばれる処理が必要なのですが、切符と比べて処理に時間がかかるため、信号無視など数の多い違反すべてに刑事手続きを行うのは現実的ではありません。 また、罰金などで処分されると、信号無視とはいえ「前科」がついて、さまざまな不利益が生じることにも問題があります。 そのため、交通反則通告制度といういわば例外処理によって、違反を認めて「反則金」を納めれば、それで終了します。信号無視の反則金は普通車で9000円、原付以外のバイクが7000円、原付が6000円です。また、交通反則通告制度でも2点の減点は行われます。 刑事手続きで処分される場合は、故意と過失では罰が異なりましたが、反則金は故意も過失も同じです。そのため、うっかり信号を見落としたときと、わざと信号を無視したときの扱いは変わりません。 ■刑事手続きになるケース 「交通反則通告制度があるのなら、なぜ懲役や罰金が定められているのだろう?」と思うかもしれません。それは、いくつかのケースで交通反則通告制度が適用されないからです。例えば、違反によって交通事故を起こした場合です。 また、違反者が交通反則通告制度の適用を拒否して反則金を支払わなかった場合も、刑事手続きに変更されます。ほかにも、歩行者や自転車が違反した場合も適用外です。