熊本で半導体関連の人材を育成へ 日総工産が県立技術短期大学校と提携
熊本県の菊陽町は、半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が進出するなど、シリコンアイランドと称される九州の中核だ。隣の大津町で、総合人材サービスを手がけるNISSOホールディングスのグループ会社、日総工産(清水竜一・代表取締役社長執行役員、横浜市)は2024年5月、「日総テクニカルセンター熊本」の研修棟を増床させ、半導体関連の人材育成に取り組んでいる。今回、地元の県立技術短期大学校(尾原祐三・校長、菊陽町)と連携協定を結んだ。 ▽「ものづくりを好きなってもらいたい」 日総工産と県立技術短期大学校は12月19日、同校内で半導体関連の人材育成などに関する連携協定を結んだ。2024年4月に新設された半導体技術科の学生たちが日総テクニカルセンター熊本に出向き、半導体製造装置を使った実習や不慮の事故を防ぐための安全教育を受けるという。 この日の締結式で、日総工産の藤野賢治専務、尾原校長、熊本県の上田哲也商工労働部長が協定書に署名した。 尾原校長は「新設された半導体技術科では、座学だけではなく、実際の機械を使いながら実習できる環境を拡充させたいと考えていた」とした上で「今回の連携で、より高度な技術者を育て、県内の企業に輩出したい」と話した。 同社によると、今回のカリキュラムは、センター内の半導体製造装置を使った実践的な内容を予定しているという。現在の1年生が2年生に進級後、実際の研修に入る。 日総工産の藤野専務は「実習カリキュラムでは、半導体関連の実際の機械を使ったスキルを身に付けていただくだけではなく、ものづくりを心から好きになってもらえるように、センターの施設長以下、講師陣が責任を持って取り組んでいきたい。そして、ここ熊本を中心とした九州シリコンアイランド構想への貢献と、日本の半導体産業の復活とさらなる発展に寄与してまいります」と意気込みを語った。