「お金がない人」ほど今すぐ投資を始めないと“本当にヤバい理由”
「投資をしたくとも、元手のお金がない。もっとお金が貯まってからにしよう」 そんな理由から、投資への興味はあっても、先延ばしになってしまうケースはよく聞かれます。しかし、それに対して「お金がない人ほどいますぐ投資をするべき」と提案するのが、セゾン投信の創設者で、現在なかのアセットマネジメント株式会社代表取締役社長をつとめる中野晴啓さんです。そんな中野さんが会社員の人にこそおすすめする投資方法とは? (本稿は、中野晴啓『誠実な投資 お金から自由になれる「長期投資」の鉄則』(徳間書店)の一部を抜粋・編集したものです)
「資金ができてから」ではなく、投資はいますぐ始めるべき理由
「株式投資をするなら、最低でも100万円くらいは必要ではないか」 「お金を貯めている段階なので、まだ投資するほどの余裕はない」 投資セミナーなどで、いろんな方とお話をしていると、そんな悩みを聞く機会も少なくありません。 そんなとき、私は「むしろお金がない人ほど、いますぐ投資を始めるべきですよ」とアドバイスしています。資産というものは時間を有効活用することで、大きく増やすことができるからです。 持って生まれた財産は人によって違います。でも、時間だけは誰にとっても同じだけ配分されています。時間をうまく活用して、大きな資産を作り上げられるのが、できるだけ長い期間投資を行う「長期投資」の存在です。
複利を味方につけることが、手持ち資金がない人が資産形成する手段
資産運用には、時間を味方につける「複利」という考え方があります。これは、預けたお金に利子がつき、その利子が元本に組み込まれることで、より大きな利子を生み出す効果があります。 たとえば、100万円を持っている人が、1年間その100万円を年利2%で運用した場合、単純計算すると1年後には資産額は102万円になります。さらに1年間、その資産を同じ年利で運用したなら、102万円の元本に対して年利2%がつくので、資産額は104万400円になります。利子によって増えた元金を年々積み重ねて、さらに利子を増やす複利の力を活用すれば、より効率的に資産を増やすことができるのです。 さらに、2024年から始まった新NISA制度の開始をはじめ、投資のハードルは年々下がっています。ネット証券などを介すると取引手数料も安いですし、投資に投じる金額も、100円くらいから可能です。だから、「お金がないから投資を始められない」という悩みは、まったく的外れです。