「従来の概念を取っ払い、マーケティングの力をどう経営に貢献すべきか考える年に」: 株式会社トリドールホールディングス 兼 株式会社丸亀製麺 南雲 克明 氏
2023年はAIの年だった、と言っても過言ではないだろう。この新しいテクノロジーの出現と急速な発展は、拡大と変化と混乱が相まって形作られている、デジタル領域を象徴するような存在にも感じられる。 一方で、デジタルの未来は不透明だ。市場におけるすべてのプレイヤーが、先の見えないなかでいかに足場を固め、次のステップへと進めるのか模索を続けている。DIGIDAY[日本版]恒例の年末年始企画「IN/OUT 2024」では、 DIGIDAY[日本版]とゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブや次世代リーダーに2023年を振り返ってもらい、2024年に向けてどのようなチャレンジを企図し、次なる成長を実現しようとしているのか伺った。 株式会社トリドールホールディングス 兼 株式会社丸亀製麺にて、執行役員CMO 兼 KANDOコミュニケーション本部 兼 取締役マーケティング本部長を務める南雲克明氏の回答は以下のとおりだ。
──2023年に挙げたもっとも大きな成果はなんですか。
“KANDO(感動)“を最優先とした独自の経営戦略とマーケティング戦略で、短期(FY23上期/過去最高の売上と事業利益)と中期(FY28中期経営計画の上方修正)の成長を実現・加速したことです。 国内外問わずグローバルで同時多発的に成長を加速させる“KANDOトレードオン戦略”と、感性とデータサイエンスを両立させ、『ブランド力・顧客体験価値(CX)・従業員体験価値(EX)』3つのスパイラル効果で高い収益を生む“KANDO(感動)ドリブンマーケティング“の実践による効果を数字で示せたことは、同質化せず、非合理の強さを追求する我々の今後に大きな示唆と自信を与えてくれました。 とくに中核ブランドの丸亀製麺の事業利益率は16%超え、『従来持つ体験価値』を磨くとともに丸亀シェイクうどんに代表される『新たな体験価値』との両立させる二律両立を諦めず追求することで、収益向上とブランド力向上、さらには世の中での丸亀製麺ブランドの存在感を高めることが出来ました。