「小泉進次郎氏」優勢を揺るがす“波乱”の要素とは 元議員秘書が明かす「総裁選」ウラ事情…「自民党が大変なのは進次郎総理の誕生後かもしれません」
勝ち上がるのは厳しい
「石破氏は一般党員の票を上積みして高い位置につけていますが、国会議員票集めではこれまでと同様に苦戦を強いられることになるでしょう。彼が最も総裁の座に近づいた2012年の選挙でも1回目の投票では1位でしたが、議員の投票結果で決められる決戦では、2位の安倍晋三氏に逆転を許す形になりました。石破氏は政治的なスタンスが定まらず、“政治屋”としての側面もあり、党内での信頼の低さがこの結果を引き起こした要因だと思いますが……。今回も議員票の大幅な上積みは見込めなさそうなので、決選投票を勝ち上がることは難しいのではないかと思います」と分析する元秘書は、上位2名による決選投票の展望についてもこう続ける。 「小泉進次郎氏が優勢だと思われていますが、もし波乱が起こるとしたら高市早苗氏が2位以内に進み、小泉氏との決選投票に至ったケースです。勝つことを見越して票を投じるのか、もしくはこれまでの関係性を重視した行動を取るのか。別の候補を応援していた国会議員の票をどのように取り込むのかが、決選投票に進んだ2人の候補者は問われることになると思います」 元秘書は、逆風も伝えられる中でも、「小泉氏が勝利する可能性が高い」と語るが……。予想外の波乱が起こることはあるのだろうか。
苦しい立場の岸田派
一方、岸田総理や彼の出身派閥、旧岸田派の候補者の動向に目を向けてみよう。約3年に及んだ岸田政権は、外交や安全保障分野での業績が一定の評価を受ける一方で、派閥の政治資金規制法違反事件や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係性をめぐる対応、そして長引く円安の影響などで支持率は低迷し、苦しい政権運営を強いられた。 「今回の総裁選で、岸田氏自ら身を引く形になりましたが、67歳という年齢を鑑みると将来的な再登板の芽もあるのではないかと思いますし、窮地に陥った状況を見越して、あえて今回出馬を見送ったのではないかとさえ感じます」(男性秘書) 今回、旧岸田派からは参議院から衆議院に鞍替えした林芳正官房長官、上川陽子外務大臣が立候補し、かつての派閥が割れる形での総裁選となっているが……。 「今回の総裁選で旧岸田派は苦しい状況に立たされていると思います。改革が求められている状況であるにも関わらず、同じ派閥の人が選出されたら『岸田路線の継承』を印象付けることとなり、選挙戦での不安を残すことになるでしょう。参院のキャリアこそ長いものの、衆院では一回生となる林芳正氏などは、次回以降の総裁選での勝利のために、今回あえて出馬しているのではないかと思います。岸田派に限った話ではありませんが、2位以下の候補者の順位や、勝てる見込みが薄くてもあえてなぜ総裁選に出馬する理由から、それぞれの思惑が見えるのではないかと思います」