わずか4秒で人生が一変 後を絶たない高齢者の「踏み間違い」、19歳の2人が死傷した福島県の事故
効果的な対策…日々進化する車の「技術」
「『技術』に頼るのも悲惨な事故を防ぐ効果的な選択肢です」。 福山大学の関根准教授は、高齢者など運転に問題を抱えている人は安全をサポートする「サポカー」に乗り換えることも有効な対策という。前方の車や人を検知して車を制御する「自動ブレーキ」については、国は2021年に国内産の新型車への搭載を義務化した。ただ、ソニー損保保険の調査(2023年)によれば、街中で走っている車の中で自動ブレーキ機能が搭載されている車はまだ3割ほどにとどまっている。 そのため、カー用品店などでは後付けできるサポート装置も販売されている。誤ってアクセルを強く踏んでしまった場合に車内で警報音が鳴り、急発進を自動で防いでくれるものもある。東京都では高齢者を対象に、こうした安全運転装置の購入と設置費用の5割から9割を補助する制度を実施した。全国的にはまだ少ないが、こうした自治体も出始めている。
判決は執行猶予付きの有罪判決
「被告に禁錮3年、執行猶予5年の判決を言い渡す」。 5月13日、裁判所が女性に下したのは執行猶予付きの有罪判決だった。検察側の求刑は禁錮3年6か月だったが、裁判官は「被告による過失の程度は相当に大きい」とした上で、女性に前科や事故歴がなかったことなどを踏まえ「危険なスピード違反やわきみ運転などと比べると、今回の事案が特段に悪質なものとは言い難い」と判断した。女性は震えながら聞いていた。最後は、深く一礼をして、法廷を後にした。 踏み間違いによる痛ましい事故を1件でも減らすには、後付けの自動ブレーキ装置や補助制度をより多くの人が知ること。家族や知り合いに高齢者がいる場合、普段乗っている車に傷はないか、様子がおかしなところはないかなど、周囲が異変に気づいてあげることも大切だ。 ※この記事は福島中央テレビとYahoo!ニュースによる共同連携企画です。
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