わずか4秒で人生が一変 後を絶たない高齢者の「踏み間違い」、19歳の2人が死傷した福島県の事故
福島中央テレビ
関東の大学に通い、交際中だった当時19歳の2人は春休み期間を利用して福島県のドライビングスクールの免許合宿に参加した。卒業検定で無事合格し、帰ろうと駅近くの歩道を歩いていた時だった。時速46キロを超える車が2人を次々とはね飛ばし、駅舎に突っ込んだ。男子学生は死亡、女子学生も頭の骨を折る大けが、一瞬の出来事だった。事故を起こしたのは72歳の女性。なぜ事故を起こしたのかについて「いくら考えてもなぜそうなったか分からない」と答えた。様々な証拠から捜査機関が特定した原因はアクセルとブレーキの“踏み間違い”。この踏み間違いによる悲惨な事故が後を絶たない。 【映像】乗用車とトラックがあわや正面衝突…国道49号の危険な瞬間 動画投稿者の切実な思い
一時停止のはずが…大学生2人を死傷させた事故
痛ましい事故は、今年2月15日午後3時50分頃に福島県にあるJR鏡石駅前で起きた。地元で暮らす72歳の女性はいつものように自分の軽乗用車を運転し、かかりつけの病院へ向かった。駅前の交差点に差し掛かった時、一時停止の標識を見て、一時停止しようとブレーキを踏み込んだ時だった。車は止まるどころかどんどん加速していった。女性はパニックに陥った。 「車が止まらない・・・」 車は直進方向にある駅のロータリーに進入。その先の歩道を歩いていた大学1年生の男女2人を次々とはねた。男子学生は約4メートル先にある駅舎の壁面にたたきつけられ、車の下敷きに。女子学生は約10メートル先までね飛ばされ、駅舎のガラスを突き破り、地面に倒れ込んだ。2人は意識不明の状態で病院に救急搬送された。その後、男子学生は死亡が確認され、女子学生は懸命な治療により意識を取り戻したが、頭の骨を折るなどの大けがだった。
わずか4秒で人生が一変・・・原因は“踏み間違い”
「アクセルから足をはずし、ブレーキを踏んだが、車のスピードは落ちなかった。どうしてスピードが落ちないのかと思っていると、目の前に人がいることに気づき、ぶつかってしまった」。 警察の取り調べに対し、女性は「ブレーキをかけたつもりだったが、踏み間違えてしまったと思う」と供述。そして、警察による防犯カメラなどの解析で、女性が運転する軽乗用車は交差点から駅ロータリーに進入し、2人をはねるまで“わずか4秒”であることがわかった。この間、車の時速は約46キロから49キロに達していた。2人をはねた後も車の後輪はせりあがる状態であったことが駅舎の防犯カメラに映り、事故の悲惨さを物語っていた。事故後に行われた検証などにより、車に故障はなかったことが証明され、ペダルの踏み間違いが事故の原因とみて、捜査が進められた。