ハリス氏、「最も厳しい決断」に作戦指令室で助言も-外交実績を誇示
(ブルームバーグ): ハリス米副大統領がイスラエルのネタニヤフ首相とホワイトハウスで25日に会談した後、民主党大統領候補の指名が確実なハリス氏の外交政策に関し、「強力な実績」を誇示する文書が、国家安全保障の専門家らに速やかに送付された。
トランプ前大統領に対抗する選挙戦をハリス氏は先週本格的にスタートさせた。キャリアの多くを国内問題に集中してきた同氏を外交政策でも重量級の政治家と位置付ける全面的努力の一環として、同氏のオフィスが10ページの文書を25日に電子メールで送付し、ブルームバーグがそれを入手した。
バイデン大統領と共に「世界中で米国のグローバルリーダーシップ回復に不可欠な役割を果たした」指導者とハリス氏を評価し、トランプ氏の孤立主義的傾向と対照的に米国主導の国際秩序の支持者だと強調する内容だ。
民主党は新たな大統領候補への攻撃を無効にし、上院議員としてグローバル問題に何十年も取り組んできたバイデン大統領と共にハリス氏が得た外交政策の経験を周知させようと努力している。
イスラム組織ハマスによる昨年10月のイスラエル大規模攻撃への対応にハリス氏が「深く関与」したほか、ロシアのウクライナ侵攻から今年4月のイランのミサイル・無人機によるイスラエル攻撃に至るまで、ホワイトハウスのシチュエーションルーム(作戦指令室)で「最も厳しい決断」に助言を提供したと文書は言及した。
ハリス氏の国家安全保障アドバイザー、フィル・ゴードン氏が執筆した文書は、中国の習近平国家主席をはじめ150人を上回る世界の指導者らとハリス氏が会い、ウクライナのゼレンスキー大統領とも6回会談し、アジアへの重要な外交訪問とアフリカへの「歴史的訪問」も実現したと指摘した。
ゴードン氏は、ハリス氏がバイデン大統領とネタニヤフ首相との20回を超える電話会談に参加したと説明し、イスラエルの指導者らへの関与を強調する一方、「ガザの悲惨な人道状況や罪のない人々の命が失われる現状について歯に衣(きぬ)を着せない発言を行った」とアピールした。