【ソフトバンク】山川活躍背景に「準備力」早めに球場入りし調整…手本は西武時代のあの先輩の姿
ソフトバンク山川穂高内野手(33)の「準備力」に迫った。移籍1年目の今季は34本塁打、99打点で打撃2冠の活躍ぶり。全試合で4番に座り、チームを4年ぶりリーグ優勝へ導いた。なぜ、打てるのか-。努力もさることながら、試合前のルーティンとして重んじる準備にあった。原点は西武時代にあり、ミスターレオで知られる栗山巧外野手(41)だった。【取材・構成=佐藤究】 【絵画】「ちょっと小池栄子さんっぽいですね」という山川妻 ◇ ◇ ◇ スラッガー山川は、なぜ打てるのか-。活躍の舞台裏を明かすとともに、準備力を重んじていた。 「準備が一番なんです。試合までの時間をどう過ごすかですよね」 1日の始動は早い。試合の全体練習前だ。チームの集合時間よりも、一足先にグラウンド入り。外野で短いダッシュを1人で繰り返す姿がある。「体にキレを出すためです」という。 ビジター遠征でも同じだ。宿舎からチームのバス移動ではなく、約1時間~1時間半前に球場入りすることがほとんど。「いつも早めに来ている」。グラブを磨いたり、ジョギング、ストレッチに時間をかける。プロ意識は高く、入念な準備こそが結果につながる。今季は34本塁打、99打点で打撃2冠に輝いた。 後輩にも「準備」の大切さを伝えてきた。球界屈指の主砲。若手選手から助言を求められることも多い。 「技術的なものって基本的に全員違うんです。まねしてもいいとは思うんですけど、最終的に自分のものにするやつって結局は自分でしか身につけられない。入りはいいと思いますけど、やっぱり活躍している人は準備に余念がない。自分はその印象があるので」 山川の「準備」の原点は西武時代だった。きっかけはミスターレオで知られる、あのベテランだった。 「栗山さんを見て、ですね。僕が1軍でプレーするようになってから栗山さんを見るようになった。常にバットを持って、鏡に向き合っている印象があるので。それを僕と(当時は西武で現オリックス)森が常に見て参考にしていたというか。『ああいうふうにやる人が長く野球をする』っていう話をしながら、やっていたんですよね」 来季に向けた準備も進める。日本シリーズ敗戦翌日の11月4日からみずほペイペイドームで動き出した。12月に入り、後輩で弟子のリチャードとの合同練習をスタート。優勝旅行期間中もオアフ島内で毎日4~5時間の自主トレで汗を流した。年明けの1月から沖縄の久米島、本島でみっちり打ち込みなどを行う予定だ。チームのリーグ連覇、5年ぶりの日本一奪還へ-。ホークスの絶対的な4番に慢心はない。