阪神・前川右京、最近7戦5度目マルチ安打 左腕も攻略!左翼渡さん
(セ・リーグ、広島7-5阪神、13回戦、6勝6敗1分、4日、マツダ)新進気鋭の若武者が頼もしさを増している。もはや、相手が左投手など関係ない。右に左に打球を運び、阪神・前川右京外野手(21)が確固たる地位にまた近づいた。 【写真】まるで忍者!小幡竜平がスーパープレーで虎を救う! 「ある程度ちゃんと軸を持って振れているので、いい結果が出ているかなと思います」 2試合連続で「3番・左翼」に座り、まずは一回の第1打席。アドゥワの133キロチェンジアップを振り切った。一塁線を破る二塁打で好機演出。4試合連続で快音を響かせた。 急成長が垣間見えたのは七回2死一塁の第4打席。左腕・塹江と対峙(たいじ)した。今季は初の開幕スタメンも、左投手相手だと先発を外れることや、代打を出されることもしばしばあった。でも、今は違う。外角高めの151キロ直球に逆らわずバットを合わせ、左中間に運ぶ技ありの一打を放った。 これで、この試合を含め直近7試合で5度目のマルチ安打。対左投手との対戦打率も・304(23打数7安打)に上昇した。対右投手が同・285(137打数39安打)と遜色ないどころかむしろ強い。6月16日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)で満塁弾を放った際、岡田監督は「左(投手)の時でも先発したりな。左ピッチャーとか対応したり、ある程度できたら自信もつくやろうし」と話していたが、もはや〝左キラー〟と言ってもいい。 勝負の一年と位置づけた高卒3年目のシーズン。6月25日の中日戦(倉敷)から8試合連続先発出場を果たし、打率・288まで上げた。安定感抜群の若虎だが、「好調って言うと駄目だと思う。これが普通だと思ってもう少し(状態を)上げていけるようにしないといけない」と油断や慢心は一切ない。 「やっぱりもっと工夫はしないといけないと思うので、これからも大事な一試合一試合になってくるかなと思いますね。試合に出ている以上は勝利に貢献できるようにやっていくだけです」 21歳が口にする言葉の節々から〝主軸〟としての自覚がにじむ。輝きを放つ若虎は勝利のために快音を響かせ続ける。(原田遼太郎)