NECは29日、51.36％を出資する上場子会社のNECネッツエスアイを完全子会社にすると発表した。TOB（株式公開買い付け）で全株を買い取る。取得額は約2355億円の見通し。同じく完全子会社のNECネクサソリューションズを含めた事業再編を行い、DX（デジタルトランスフォーメーション）需要が本格化する全国の自治体や中堅・中小企業向けビジネスの強化を図る狙い。 　ネッツエスアイはNECグループでネットワーク事業やインフラ工事・保守などを手がける。今回のTOBで買い付け価格は1株あたり3250円。12月11日まで買い付けを行い、全株式を取得できなかった場合は少数株主から強制的に株式を買い取るスクイーズアウトを実施する予定。 　完全子会社化後は、自治体や中堅中小企業向けのITサービスなどを提供するネクサソリューションズを含めた事業再編を実施。現在の事業領域に加え、ネッツエスアイは消防防災事業、ネクサソリューションズはITサービス事業を中心に全国の自治体や中堅中小企業にDXソリューションを提供する。 　NECは「コンサルティングからからSI（システム構築）、工事、保守まで一気通貫で提供可能な事業体制を目指したい」としている。