阪神のドライチ・佐藤は満点のデビュー戦やね。一方、虎の欠点である守備は今年も不安や……【岡田彰布のそらそうよ】
佐藤は開幕から三番を打たせたいわ
日本ハムとの練習試合の第1打席で見せたドライチ・佐藤[右]のヒット。変化球に体を崩されることなく芯に当てた打球に非凡さを感じたよ。いい打者を獲得したね[写真=毛受亮介]
空港に着き、沖縄の外気に触れる。ここで出る大阪弁……。「あ~、ぬく……」。ホンマ、いつもと変わらぬ暖かさだ。沖縄に入ったことを実感する一瞬である。 PCR検査を受け、阪神キャンプのチェックに向かう。いつものように青い海、青い空が迎えてくれたが、球場、街の様相は一変していた。ファンのいない球場はやっぱり違和感があるし、夜の街の静かなこと。感染防止に、われわれも努力しなければならない。外出を控える。球場とホテルの往復で、食事はホテルの中で。これを常に徹底したよ。 そんな重い空気を吹き飛ばしてくれたルーキーがいた。阪神のドラフト1位、佐藤(佐藤輝明)である。2試合の紅白戦を経て臨んだ2月9日の初対外試合、日本ハム戦(宜野座)だった。第1打席でヒットを放ち、これで勢いがついたのか待望のホームランに二塁打が出た。まさに満点のデビュー戦やった。オレがもっとも評価するのが1本目のヒットよ。打ったのは低めの変化球やったけど、崩されることなく対応できていた。この反応力が素晴らしい。タイミングがズレて、まともにスイングができないこともあるのに、しっかりとバットの芯でとらえていた。非凡さが伝わってくるヒットやったわ。 ホームランも変化球で、二塁打はストレート。とにかく遠くに飛ばす能力は図抜けている。長所がいっぱい備わったバッターということよ。だから、これから先、決して打撃フォームをいじらないことよ。結果が出ている間、このまま伸ばせばいい。コーチがいじることは決していいことじゃない。それを首脳陣の決め事にすべきやと思うね。 オレなりに佐藤のバッティングを分析してみた。それで気になったことが一つある。構えたときのグリップの位置が・・・
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週刊ベースボール