自民・野田聖子氏「『反安倍』ではない」 女性政策に注文も
自民党の野田聖子前総務会長が21日、東京の外国特派員協会で会見した。最近「反安倍政権」のイメージがある野田氏だが、「それは間違い」と否定。少子化による人口減少は喫緊の課題だとして、その解決のための女性政策の重要性を強調し、「来年1年はそこに特化してもらいたい」と安倍政権に注文をつけた。3年後の自民党総裁選への意欲も口にした。 【全編動画】自民・野田聖子前総務会長が会見
少子化対策の必要性を強調
このところ野田氏は、9月に成立した安保関連法や「新3本の矢」の出生率1.8目標への懐疑的な発言が報じられるなど、安倍政権に対する批判的な姿勢が目立っている。 こうした見方に対し、「世間では『反安倍』といわれるが、それは間違い」と否定する。「むしろ安倍首相とは、当選8期同士(1993年初当選)で苦楽をともにしてきた。絆は強い」。ただ「自民党の長期政権のためには“メンテナンス”が必要。それをしていく一人として日々取り組んでいる」と、安倍政権を“軌道修正”するための発言は続けるとした。 野田氏は、日本の人口が過去150年で9000万人増えたものの、今後の100年で同じく9000万人減少する推計を紹介。「やるべきことは人口を減らさないこと。下がる原因は少子化で、若い世代が出現しない、高齢者がどんどん増える」と危機感を示し、少子化による人口減少は、今後の日本にとって避けては通れない課題だとした。 その少子化問題を解決する最たる政策は女性政策だと強調する。ただ、現在の日本社会や企業では「まだ女性がほとんど活かされてない」と指摘。最近は女性の活躍という言葉がフェードアウトし、一億総活躍にすり替えられてきたことに若干の危惧を感じる。来年1年はそこに特化してもらいたい」と安倍政権に注文をつけた。
3年後の総裁選出馬にも意欲
具体的な女性政策としては、女性だけではなく高齢者や障害者も働きやすい常識的な労動時間を設定することを挙げ、働き方を変えることが大事だと訴える。「一部の有能な女性を取り上げることはよしとしない」として、全ての女性が社会人として生きていける環境づくりが重要だと述べた。