「捨てるなら私が死んでからにして!」90歳老母が集めるガラクタは溜まり続けて。気の強い高齢者と子ども世代の隔たりは埋まらない
◆両者の隔たりは永遠に埋まることがない また別の日には、 「雨の日に母が出掛けようとするから、『今日はやめておいたほうがいいんじゃないの。滑って転びでもしたら取り返しがつかないんだよ』って注意したのに聞かずに出掛けて行って。痛い思いをするまでわかんないのかもねって、前から夫とも話してたんだけど、実際、転んで骨を折って。今、リハビリをしてくれる施設を探してる最中なんだけど、どこも結構お金が掛かるでしょ。一体、そのお金誰が出すのよ」 近所に住む顔見知りが頭を抱えていた。 そのほかにも、「実家に帰ったら、健康食品が段ボールいっぱい届いてて、『何これ?』って聞いたら、『テレビの通販番組で買った』って、どや顔で答えるんだもん。急いで返品したけど、『何で勝手に返すんだ』って逆ギレされて。もう、勘弁してほしいわよ」と、怒り心頭に発している人がいるかと思えば。 「ウチの舅は、毎日のように車でパチンコに行くんだけど、事故を起こしてからじゃ遅いでしょ。でも、免許証を返納させようとすると、殴りかからんばかりの勢いで怒鳴りはじめるんだもん。早く逝ってくれないかって、毎日のように思ってるわよ」など、老親を抱えている人でないと出てこない話はとどまるところを知らず。 しかも、身につまされる話ばかりなのだから、「わかる、わかる」と全力で頷いてしまう。 老いても子に従いたくない気の強い高齢者と、老いや衰えを自覚し大人しくしていてほしいと願う子ども世代。 両者の隔たりは永遠に埋まることがないのだろう。 ※本稿は、『寿命が尽きるか、金が尽きるか、それが問題だ』(WAVE出版)の一部を再編集したものです。
こかじさら
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