住友商事が洋上風力市場へ積極投資。船舶海洋事業の成長に期待
1万6400重量トン型の新造船2隻は、中国の江蘇省鎮江船廠で2025年に竣工予定。スペインの風力発電機最大手シーメンスガメサリニューアブルエナジー向けの長期用船が決まっている。
住商の洋上風力関連船投資の第2弾は、CSOVを保有・運航するIWSフリートへの出資参画だ。同社が第三者割当増資で新規発行する株式6000万ユーロ(約100億円)を引き受け、増資後の発行済み株式25・38%を確保しグループ会社化した。
「洋上風力市場の成長におけるもう一つのトレンドが、離岸距離の拡大だ。欧州では近距離海域の開発一巡により遠距離化・大水深化が進んでおり、大型で母船機能も持つCSOVに着目した」(同)
IWSフリートは世界2位のCSOV船隊6隻(発注残4隻含む)を保有、運航管理を手掛けている。
「今後も重量物船・CSOV以外の船種も含め、洋上風力開発に必要な船舶への投資を検討・実行していく」(同)
洋上風力は建設・運用の各ステージで重量物船やCSOVのほか、大型タービンの敷設を支援するアンカーハンドリング・タグ・サプライ・ベッセル(AHTSV)、ケーブル敷設船、地質調査船など幅広い船舶が投入される。住商の投資対象船の種類も拡大していく可能性がある。
住商は7月31日、浮体式洋上風力の浮体構造部材の詳細設計・製造・納入における協業可能性の検討に関して日揮と合意したと発表。グループの大島造船所とも、造船用大型設備と造船業で培った量産技術の浮体構造物製造への活用を視野に協議を進めるなど、洋上風力分野でのSCの事業開発に力を入れている。
日本海事新聞社