高血圧になると上がる病気のリスクとは?血圧が上がる原因と対策を解説
昔から「塩辛いものは血圧を上げる」といわれていますが、血圧を上げる原因は塩分だけとは限りません。 【画像】高血圧になると上がる病気のリスクとは?血圧が上がる原因と対策を解説 運動不足に肥満、さらにはストレスや加齢も血圧を上げる原因になりうるのです。 そこで今回は、血圧を上げる原因や対策法をわかりやすく解説します。 ぜひ最後までご覧ください。
血圧が上がるメカニズムと原因
血圧とは、「血液を体全体に送り出す力」のことです。そして血圧が上がる際は、以下のような現象が私たちの体で起きています。 ・心臓から送り出される血液量が増加する(心拍出量の増加) ・血管が狭くなる(末梢血管抵抗の増加) この2つに影響を与えると、血圧が上がるのです。 そして、私たちの生活の中に潜む血圧を上げる原因として考えられるのは、おもに6つあります。 ・塩分の摂り過ぎ ・肥満 ・運動不足 ・ストレス ・加齢 ・喫煙 では、それぞれの原因がどのように血圧を上げるのか、わかりやすく解説しましょう。 ●塩分の摂り過ぎ 塩の主成分であるナトリウムは、摂り過ぎると血液量の増加につながるため、心臓から送り出される血液量も増加し、血圧を上げてしまいます。 現在「日本人の食事摂取基準2020」では、食塩の目安量を1日あたり成人男性7.5g未満、女性6.5g未満としています。しかし、現状の平均摂取量は男性10.9g、女性9.3g(※)と目標を大幅に超えているのです。 私たち日本人は、1日に摂取している塩分のじつに約7割を調味料から摂っています。塩だけではなく味噌や醤油など、知らず知らずのうちに塩分を摂り過ぎてしまっているのかもしれません。 ※「令和元年国民健康・栄養調査の概要」より ●肥満 肥満の方は脂肪細胞が肥大している状態で、その脂肪細胞から分泌されるさまざまな物質により、自律神経が乱れたり、ホルモンの働きを妨げてしまったりすることで血圧の上昇につながるのです。 自律神経は、血圧の調整など体の調節機能を担っています。肥満の方は、標準体型の方と比べて脂肪細胞が大きく、分泌される物質による影響が大きいのです。 ●運動不足 さきほど、肥満は血圧を上げるとお伝えしましたが、運動不足は肥満につながる要因の1つです。 運動不足により消費カロリーが減少し、さらに食べ過ぎて摂取カロリーが増加すると肥満につながってしまいます。 ●ストレス 私たちが日々さまざまな形で感じているストレスは、交感神経を刺激して血圧を上昇させる原因の1つです。交感神経が刺激されると、血圧が上がる時にみられる心拍出量の増加と、末梢血管抵抗の増加が起こります。 なおストレスの種類は、以下の4つに分類できます。 ・心理社会的ストレッサー(人間関係、仕事の責任など) ・物理的ストレッサー(気温変化、騒音、光など) ・科学的ストレッサー(たばこの臭い、公害など) ・生物的ストレッサー(花粉、カビなど) 一般的にストレスといわれているのは心理社会的ストレッサーのことをさしますが、他にも体に負担がかかるものはすべて「ストレス」として認識されるのです。 <冬に血圧が高くなるのはなぜ? > 寒さ・暑さなどの気温変化も、物理的ストレッサーというストレスの1つです。とくに、温かい場所から急に寒い場所へうつると、血管が収縮して血管内が狭くなるので血圧が高くなります。 冬場には、浴室と脱衣室の温度差から「ヒートショック(※)」を起こす方も少なくありません。 血管に負荷をかけないためにも、気温の変化をなるべく小さくする工夫が必要です。 (※)ヒートショックとは、急激な温度変化により体がダメージを受けること。おもに心臓への負担が大きいとされている。 ●加齢 年齢を重ねると血管が硬くなりやすいため、血圧も上がりやすくなるのです。日本では、高齢者の2人に1人が高血圧であるといわれています。 加齢は誰しも避けられないため、とくに高血圧の方の割合が高くなる65歳以上にあたる方は、日頃から血圧の測定を習慣化するとよいでしょう。 ●喫煙 たばこに含まれるニコチンには血圧を上昇させる作用があるため、喫煙習慣のある方は血圧が高くなります。