ビットコインはどう動く?──米雇用者数、基準改定値で大幅下落の予想
8月21日は暗号資産(仮想通貨)を含む金融市場が忙しくなる可能性がある。これまであまり重要視されてこなかったデータがアメリカ経済の厳しいイメージを提供すると予想されるからだ。 しかし、ある大手投資銀行によると、データは誤解を招き、弱さを誇張している可能性があるため、ビットコイン(BTC)の弱気派は注意した方がいいかもしれない。 8月21日、アメリカ労働省労働統計局(BLS)は、2023年4月から2024年3月までの月次の非農業部門雇用者数(雇用統計)の基準改定値の速報値を発表する。これはは通常、毎年夏か秋に発表される。 オブザーバーによると、BLSによるデータのアップデートは、3月までの1年間の雇用の伸びが以前の推定よりも鈍かったことを明らかにする可能性が高いという。 「8月21日にアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は雇用成長率の改定値を受け取る予定であり、昨年から今年初めにかけての雇用成長率が、これまでの推定値よりも低調であったことが明らかになるかもしれない」と、暗号資産オプションの民主化に注力するテック企業、シグナルプラス(SignalPlus)は20日のマーケット・アップデートで述べている。 モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)は、雇用者数の大幅な下方修正を予想し、現在発表されている数字より60万人減少すると予測している。 予想される雇用統計の大幅下方修正は、景気後退懸念を再燃させ、暗号資産を含むリスク資産からのシフトを引き起こし、今月初めに発表された7月の雇用統計後に見られたような安全資産への逃避を引き起こす可能性がある。 とはいえ、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)によれば、下方修正は誤解を招く可能性があるという。 「2023年4月から2024年3月の非農業部門雇用者数の伸びは月平均25万人だった。21日の改定で、このペースが月16万5000人から20万人に下方修正される可能性はあるが、その修正の一部は誤りであり、この期間の雇用増加の『本当の』ペースはおそらく月20万人から24万人に近かったと我々は考えている」とゴールドマン・サックスのエコノミクス・リサーチ・チームは8月16日付の顧客向けメモで述べている。 同チームは、このデータは失業保険の記録を基にした四半期雇用賃金コンセンサス(QECW)に基づいていると説明した。この保険記録は、近年雇用の増加に貢献している不法移民を除外している。 BLSのデータ発表の後、焦点は協定世界時(UTC)21日午後6時(日本時間22日午前3時)発表される予定の7月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録に移る。 モルガン・スタンレーは8月18日付の顧客向けメモで、「FOMCが金融緩和を検討するのを9月まで待ちたかった理由と、0.5%の金利引き下げが議論されたかどうかに注目したい」と述べている。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin Bear Trap? Goldman Says Wednesday's U.S. Jobs Report is Likely to Overstate Weakness
CoinDesk Japan 編集部