B型事業所支援 県施設で販売会 野菜や加工品 販路拡大、工賃向上図る 茨城
障害者が働く県内の「就労継続支援B型事業所」で作られた商品の販路確保・拡大や工賃向上につなげようと、茨城県は10月、県庁や合同庁舎のスペース無償提供による定期販売会「ポップアップショップ ルバート」を始めた。「ルバート」はテンポを自由に加減できるという音楽の速度記号。障害者一人一人のペースを大切にする意味を込めた。参加事業所からは、新たな取り組みに歓迎の声が聞かれた。 取り組みは、課題となっているB型事業所の販路確保を支援し、工賃の向上を図る狙いがある。会場を無償提供し、商品販売にとどまらず、接客の訓練、売れ筋商品の分析などマーケティングに活用してもらう。 販売会場のうち、県庁は1日から県民ホール(2階)で隔週火曜の午前11時半~午後1時半まで開催。合同庁舎は、常陸太田合庁(2日~、水曜)▽水戸合庁(3日~、木曜)▽筑西合庁(4日~、金曜)▽鉾田合庁(8日~、基本火曜)▽土浦合庁(9日~、基本水曜)-の計5カ所。いずれも1階を会場に、隔週で県庁と同じ時間帯に実施する。 県障害福祉課によると、B型事業所は県内に約450カ所。2022年度の県内の同事業所の平均工賃は月額1万5726円で、全国平均より1300円ほど低い。販売会の参加事業所は8月下旬から募集し、これまでに37事業所から申し込みがあった。 初日の1日は同ホールで行い、水戸、つくば、ひたちなか、鹿嶋、五霞の5市町から計6事業所が出店。障害者らが丹精込めて作ったネギやサツマイモなどの野菜、ジャムや焼き菓子、干し芋などの加工品、弁当、洋服のリメーク品などを並べた。昼時とあって多くの県職員や来庁者でにぎわい、笑顔で接客、交流していた。 出店しためぐファーム・ゴカ管理者の倉持崇文さん(54)は「こうした場を提供していただきありがたい。販路を拡大し、一生懸命働いている利用者(障害者)の方に報いたい」と話した。同課は「今後も多くの方に継続的に来場してもらうため、PRに力を入れていきたい」としている。
茨城新聞社