近所の子が高校卒業後に「税関」に勤めるそうです。大卒でないと入職できないと勘違いしていましたが、収入や条件などは異なるのでしょうか?
税関職員は空港や港に設置されている税関において、輸出入に関する業務を行います。国家公務員ということもあり、大学を卒業していないとなれない仕事だと思っている人もいるかもしれません。 実際には高卒でも税関職員にはなれるようなので、詳しく確認しておくといいでしょう。 本記事では、高卒で税関職員になる人の割合をはじめ、大卒との条件の違いや国家公務員の採用の流れについてご紹介します。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
高卒でも税関職員になれる?
税関職員は国家公務員であるため、人事院が主催する「国家公務員一般職試験」に合格する必要があります。国家公務員試験には「大卒程度試験」のほかに「高卒者試験」もあるため、その試験に合格すれば高卒でも税関職員として働くことが可能でしょう。 税関で働いている高卒者の割合がどのくらいなのかを確認するために、横浜税関職員の過去5年間の採用者数を表1にまとめました。()内は女性の人数です。 表1
出典:財務省 横浜税関「税関職員になるには」を基に筆者作成 大卒者に比べて高卒者の割合が少ないようですが、令和3年以降は高卒者の採用人数が10名を超えるようになってきています。 また、税関には一般職のほかに総合職もありますが、総合職は高卒者は受験できないようです。そのため、今回の事例にある方は、一般職として採用されたと考えられます。
大卒と高卒の条件の違いは?
基本的には、大卒者か高卒者かによって配属される職種に差が出ることはないようです。ただし、給与や研修期間などに大卒・高卒の違いがあるため、事前に確認しておくといいでしょう。 例えば財務省 長崎税関では、一般職員の初任給が大卒で18万円程度、高卒で15万円程度とされています。 平均基本給については、30代が26万円、40代が35万円、50代が41万円ということですが、実際はこれに超過勤務手当などの各種手当がつきます。また、ボーナスは年2回支給されるということです。 新規採用研修についても、大卒の場合は約2ヶ月半、高卒の場合は約6ヶ月というように、期間に違いがあります。