円相場は乱高下、一時143円台 自民・総裁選で値幅大きく
27日の東京外国為替市場の円相場は、自民党総裁選を受けて乱高下し、一時1ドル=143円台前半を付けた。146円台前半まで下落する場面もあり、値幅は3円程度と短時間で大きく動いた。新総裁の選出に伴い、金融政策への影響を巡る思惑が交錯した。東京株式市場では円下落を受け、日経平均株価の終値が前日比903円93銭高の3万9829円56銭と大幅上昇した。 円相場の午後4時現在は前日比1円86銭円高ドル安の1ドル=143円15~18銭。ユーロは1円91銭円高ユーロ安の1ユーロ=159円55~62銭。 自民党総裁選は高市早苗経済安全保障担当相と石破茂元幹事長の決選投票となり、日銀の利上げに否定的な高市氏が勝利する可能性を意識した円売りが一時優勢になった。その後、新総裁に石破氏が選ばれると、巻き戻しの円買いが一気に進んだ。石破氏が日銀の段階的な利上げ姿勢を容認するとの見方も円買いを促した。 外為市場では「石破氏の勝利で、日銀の金融政策正常化路線に大きな影響はないだろう」(外為ブローカー)との声があった。