刺激的なドラマに満ちた2024年のテクノロジー業界を振り返る--勝者と敗者を総括
勝者 1. AIツールおよびプラットフォーム:ついに前評判通りの能力を発揮 2024年はAIが過剰な前評判に違わぬ能力を発揮し始めた年だった。Googleは「Gemma 2」モデルをリリースし、「Bard」を「Gemini」に改名した。Gemma 2は、開発者に強力なツールを提供し、GoogleがAI分野の競争に復帰するのを助けた。OpenAIの「GPT」シリーズは依然として絶対的な標準であり、法律文書の作成からコードの修正まで、さまざまなタスクを処理することができる。一方、Adobeの「Firefly」はデザイナーではない人間をプロのクリエイターに変えた。今回ばかりは、AIの誇大宣伝が大げさに感じなかった。 2. NVIDIA:AI王国の支配者 NVIDIAは2024年を席巻し、2024年がまだ終わらないうちに、2025年分の「Blackwell」チップを完売した。四半期売上高は94%増の351億ドル、利益は193億ドルを記録した。同社は、オーディオを生成およびリミックスするAIツール「Fugatto」も発表し、Intelをダウ工業株30種平均から追い出した。NVIDIAは2024年を単に制しただけでなく、自分のものにした。 3. オープンソースソフトウェア:共同作業がうまく機能することを証明 オープンソースは2024年に勢いを増し、「LLaMA 3」や「Falcon」、Gemma 2などのAIモデルのおかげで、開発者が障壁なく作業できるようになった。その一方で、プロプライエタリーなアプローチの行き過ぎは裏目に出た。HashiCorpの「Terraform」ライセンスに制限があったことから、人気の「OpenTofu」フォークが生まれた。オープンソースAIの定義(OSAID)は議論を巻き起こしたが、これによって、オープンソースの影響力の拡大が浮き彫りになった。企業が扉を閉ざすと、オープンソースは新たな扉を開いた。 4. Armベースのチップ:コンピューティングの未来 AppleのM4とQualcommのSnapdragon X Eliteに先導されて、Armプロセッサーは急速な勢力拡大を続けた。M4搭載「Mac mini」はデスクトップをポータブルなサイズに小型化した。M4搭載「MacBook Pro」はノートブックのパフォーマンスを再定義し、M4搭載「iPad Pro」は従来のノートブックを時代遅れにした。「Snapdragon」はWindowsデバイスを有力な製品に変身させ、Intelを圧倒した。Armは未来であるだけで、現在でもあった。 5. Bluesky::クールな新SNS Xが内部崩壊する一方で、Blueskyは急成長を遂げた。分散型モデル、洗練されたインターフェース、ユーザー第一のポリシーにより、Blueskyは、Musk氏をめぐる騒動から逃れようとするユーザーに選ばれるソーシャルメディアプラットフォームとなった。Xが新しいポリシーを発表するたびに、Blueskyはユーザー数を伸ばした。Blueskyはすでに単なる代替SNSではなく、新たな標準となっている。 6. Matter規格:実際に機能するスマートホーム Matter規格はAppleとGoogle、Amazonに連携を強いることで、スマートホームを機能的にすることについに成功した。以前だと通信できなかったデバイス同士がシームレスに統合され、スマートホームのセットアップがそれほど面倒ではなくなった。望まれていたことがようやく実現した。 7. Metaの「Ray-Ban Metaスマートグラス」:ぎこちなさを感じさせないAR Metaは、ファッション性と利便性を兼ね備えた軽量のRay-Ban Metaスマートグラスで皆を驚かせた。ハンズフリー通話と控えめなARオーバーレイのおかげで、このスマートグラスはギミックではなく実用的なものになった。今回ばかりは、ARテクノロジーは使うのが恥ずかしいものではなく、革新的なものだと感じた。 8. 「iPhone 16」:素晴らしいハードウェアとそれほどでもないAI AppleのiPhone 16は、AI機能が期待外れでも、強力なハードウェア性能で優位に立てることを証明した。基本モデルは新しい「A18」チップを備えており、6コアCPUと5コアGPU、8GBのRAMが搭載されている。「Android」のライバルたちを不安にさせる大幅なパフォーマンス強化だ。カメラは、4800万画素のメインカメラと改良された1200万画素の超広角レンズを備えており、非常に高画質の写真を撮影できる(ただし、自撮り写真が他人の写真のように見えるようなことはない)。 2025年の展望 2025年が近づいた今も、テクノロジー業界は不安定で予測不可能な状況が続いている。勝者は限界を押し広げ続け、敗者は急速に変化するテクノロジー業界への適応に苦労するだろう。確かなことが1つある。テクノロジーの未来は希望と危険に満ちており、2025年も刺激的な年になるはずだ。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。