《佐々木麟太郎進学で注目》日本人が知らない“名門・スタンフォード運動部のリアル”…現役日本人コーチ「学生ながら“5億円超”の契約も」
今年2月、高校野球界のトップ選手であった花巻東高の佐々木麟太郎選手が、アメリカ・スタンフォード大への進学を表明。日本のプロ野球界からも注目を集めていた逸材の異例の決断は、大きな話題となった。では、世界大学ランキングの上位常連で、日本でも超名門として知られる同校に佐々木選手が進むことができたのはなぜなのか。また、そこでの生活とはどんなものなのか。スタンフォード大アメリカンフットボール部で17年間コーチを務める河田剛氏に聞いた。《全2回の2回目「学生生活編」/前編「入試編」を読む》 【写真で比較】「丸刈りから…インテリ風な七三分けに!?」半年で激変した佐々木麟太郎の現在と甲子園での姿&信じられない規模の“選手ファースト”「まるで宮殿」なスタンフォード大の現地写真も見る 佐々木麟太郎選手について言えば、野球に関してはほとんど心配していません。もちろん日米の違いに戸惑うこともあるかもしれませんが、基本は同じ競技です。言語の壁があっても、共通の話題ならば意外と何とかなるものです。 一方で、やはり学業との両立は相当、大変だろうなと思います。 現在、スタンフォード大で教鞭を執っている日本人教授の知り合いがいます。彼は京都大学を卒業し、1年間英語を勉強して大学院で修士号を取りにスタンフォードにやってきました。日本で言えば「アカデミックエリート」だと思いますが、その彼でも「最初の授業は半分も分からなかった」と言っていました。
語学面はもちろん…授業もハイレベル!
語学的な問題はもちろんのこと、そもそも扱っているテーマが非常にハイレベルなので、授業についていくハードルが高いのです。もちろん大学院と学部の違いはありますし、佐々木選手が何を専攻するかにもよりますが、いずれにせよ大変なことには変わりはありません。 アメフト部には現在、野球部と兼部の部員もいます。彼をはじめ、佐々木選手と授業がかぶるようなアメフト部の若い年代の選手にはミーティングで「佐々木選手と授業で一緒になったら、困っていることがないか声をかけてやれ」と伝えています。 「人生で初めて両親と離れて、寮で生活をするようになって、最初の授業に出た日のことを思い出してくれ。不安がないわけがない。しかも、周りは自分が育ってきた言語じゃない。そんなこと信じられるか? 彼のチャレンジを応援してあげよう」と言うと、皆、自分が初めてスタンフォードに来た日を思い出しているようでした。 ちなみにスタンフォードを含めアメリカの大学では、基本的に専攻は入学後に決まります。それは「人間の興味・関心は在学中に変わるもの」という考え方に基づくからです。これは個人的には当たり前のことだと思いますし、今思うとむしろ入学前に専攻を決めないといけない日本の大学の方が不思議な感じがします。 では、実際には多くのアスリートたちはどうやって授業に順応していくのでしょうか。
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