中国で大規模な景気刺激策の発表、復調の兆しがある中国株式市場の今後は?
9月24日に発表された中国の大規模な景気刺激策は、長らく低迷を続けてきた中国株式市場にカンフル剤のような効果をもたらし、中国株式市場を大きく押し上げた。「上海総合指数」は9月27日までの4営業日で23日終値から12%上昇。より落ち込みが深刻だった「深セン成分指数」は同期間に18%も上昇した。香港の「ハンセン指数」も13%上昇と、前週1週間は中国株式市場は全面高の動きになった。この株価の上昇は、今後も継続するのだろうか? イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)は、この中国の景気刺激策が中国株式市場に与える影響を考察したレポートを発表した。そのレポートは、「中国株は短期的には上昇を続ける可能性があるが、中期的な上昇トレンドを維持するにはファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の真の改善が必要となる」と、今後に期待しつつ、冷静な対応を呼びかけている。
9月24日の景気刺激策はいくつかの対策を組み合わせたものだった。まず、金融緩和策として「7日物レポ金利を20ベーシスポイント(0.2%)引き下げ、かつ、預金準備率を50ベーシスポイント引き下げ、さらに年内に追加で25~50ベーシスポイントまで柔軟に引き下げる可能性を示唆。そして、銀行の強化として、中国の主要銀行(6大商業銀行)の資本増強。また、不動産セクターの安定化策として、既存の住宅ローン金利を50ベーシスポイント引き下げ、2件目の住宅購入の頭金の最低比率をこれまでの25%から1件目と同じ15%に引き下げ。さらに、株式市場の支援策として、5000億人民元のスワッププログラムにより、証券会社・ファンド・保険会社による株式の購入に資金を提供。必要に応じて2回の追加的な流動性供給ラウンドを実施し、支援総額を1.5兆人民元に引き上げる――というもの。レポートでは、「重要なのは、これは数年ぶりの大規模な景気刺激策であるという点」と指摘している。