リウマチの初期症状・前兆を医師が解説 関節・手足の違和感はすぐ受診を 早期発見が治療に効果的
近年はリウマチ治療の薬剤が非常に進化し、治療の選択肢も拡大しています。その一方、治療を速やかに進めるには早期発見が重要です。リウマチが発症したらどのような初期症状がみられるのか、「みかわ整形外科クリニック」の三河先生に解説していただきました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
リウマチの初期症状を医師が解説 手足や関節に違和感や痛みがある場合は関節リウマチの前兆かも?
編集部: リウマチについて教えてください。 三河先生: 簡単に言えば、全身の関節が腫れ、そのまま放置すると関節がこわばったり変形したりしてしまう病気です。自己免疫疾患の1つとされています。 編集部: 全身の関節とは、具体的にどの部分に生じることが多いのですか? 三河先生: 特に多いのは指、手首、足、膝などです。 編集部: リウマチの初期には、どのような症状が出るのですか? 三河先生: リウマチの初期症状は関節の炎症と、それに伴う関節のこわばり、腫れ、痛み、熱などです。こわばりは「関節が硬くなって動かしにくい」といった症状を指します。 編集部: それらの症状が1日中続くのですか? 三河先生: いいえ。リウマチには症状が出やすい時間帯に特徴があります。例えば、初期症状の関節痛やこわばりは朝起きたときに感じることが多く、「朝のこわばり」とも呼ばれています。また、初期には手指の小さい関節に症状が出ていたのが、病期が進むにつれて肘や膝など大きな関節に症状が出現することもあります。加えて、症状が左右対称に表れるのも特徴の1つです。ただし、これらはあくまでも典型的な例であり、実際は患者さんによって異なります。
リウマチの原因となりやすい人の特徴 40~50代の女性は関節リウマチに要注意?
編集部: リウマチの原因はなんですか? 三河先生: リウマチは自己免疫疾患の1つとされていますが、まだ原因は明らかにされていません。自己免疫疾患とは、免疫の働きに異常が起きて自分自身の組織を攻撃してしまうことによって発症する疾患です。リウマチの場合、なんらかの原因でこのような免疫異常が起きるとされています。 編集部: 原因には何が考えられるのですか? 三河先生: リウマチが発症しやすいかどうかは、遺伝的な要因が大きく関わっていると考えられます。そのほかには、感染症、過労、ストレスなどの環境因子も原因になると考えられています。 編集部: 様々な原因が考えられるのですね。 三河先生: そうですね。さらに、近年では喫煙や歯周病もリウマチの発症に関与していることが判明し、注目を集めています。 編集部: リウマチの患者数はどれくらいですか? 三河先生: 日本のリウマチの患者数は約600万人とされており、特に女性に多く発症することがわかっています。男女比でみると、1:3~5の比率です。また、リウマチ患者の年齢層をみると、どの年代でも発症しやすく、10歳代から20、30歳代にかけて発症数が増加し、ピークは40~50歳代とされています。 編集部: リウマチは高齢者の病気と思っていました。 三河先生: 発症のピークが40~50歳代であることは間違いありませんが、最近では高齢になってから発症する人も増えています。60歳代以上の高齢者が発症するリウマチを「高齢発症関節リウマチ」と言います。 編集部: リウマチは女性に多く発症する傾向があるのですね。 三河先生: はい。男性の場合は30歳代から発症数が増加し、50歳代がピークになります。