大谷翔平と藤井聡太「天才の親」に共通する、たった1つの心構えとは?
昨今、多くの親が他者との競争を煽るような声かけをしてしまい、わが子の個性をつぶす結果になっているケースが増えている。そんな中、前人未到の道を突き進む大谷翔平さんや藤井聡太さんの両親の子育ての姿勢には共通するものがあったのだ。子を超一流に育て上げた「親としての姿勢」とは?本稿は、辻秀一『メンタルドクターが教える 個性を輝かせる子育て、つぶす子育て』(フォレスト出版)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 超一流選手たちの育ちを探る! 彼らの両親に共通する姿勢とは メジャーリーガー大谷翔平さんのような人物に育ってほしいと多くの親は考えているかもしれません。大谷翔平さんのバッティングやピッチングや大きな身体は真似できないでしょうが、彼の持つ人間性や非認知的スキルやあり方を少しでも自分の子どもに持ち合わせてほしいという願いがあるでしょう。 大谷翔平さんのご両親の子育て論などはまったく知りませんが、おそらく「アートな子育て」だったのではないかと推察されます。 週刊誌「週刊現代」にこんな記事があったのは有名です。 大谷翔平さんら多くの「超一流選手」の親を取材し、書籍『天才を作る親たちのルール』(文藝春秋)を著したスポーツライターの吉井妙子氏は、「両親たちの姿勢には共通点がある」と語っています。 「それは、頭ごなしに怒らないこと、そして子どもの考えを否定しないことでした。『なぜできないのか』『お前はダメだ』と言われた瞬間、子どもは強烈なコンプレックスを植え付けられてしまう。その2つを『しない』ことが、子どもたちの個性を大きく育てているのです」(「週刊現代」2021年12月11・18日号)
まさに、この2つをしてしまうことは、「認知的思考で期待があるから怒る」「正しさを主張するから否定する」わけです。つまり、大谷翔平さんの親はもちろん、自分らしく個性をつぶされることなく生きているアスリートたちの親は、間違いなく「非認知的でアート的な子育て」を実践しているのです。 特別な厳しさが彼らを超一流にしたのではなく、誰もができる「非認知的な脳による生き方を大切にした子育て」と言えます。 ● 将棋界の至宝・藤井聡太は どのようにして育てられたのか? 大谷翔平さんと同じくらい、多くの日本人が注目する若者の1人が将棋名人の藤井聡太さんです。彼の親もまた、「非認知的なアプローチの価値観」を持った子育てをされた方なのではないかと推察されます。 「親は親、子どもは子ども」という意識のもとで、子どもの「好きなこと」「やりたい」という意欲を重んじ、「余計な口出しはしない」という原則を徹底されたそうです。 藤井聡太さんのご両親は、「息子がなにかに集中しているときは絶対に止めないように心がけていた」というのは有名な話です。