40代は乾燥との闘い!美の巨匠・齋藤薫が語るとっておき保湿法|STORY
数々の女性誌で長年活躍している美容ジャーナリスト・齋藤薫さんが、STORY読者の悩みに寄り添う連載がスタート!体の変化が目に見えて表れはじめ、不安や悩みも増えてくる40代に、美の先輩からの叡智をお届けします。
お悩み:【カサつき】
最近空気が乾燥してきたのもあり、いろいろ塗って保湿はしていますが、何故か潤いません。なんだか気持ちまでカサついている気がします。心身ともに潤いを感じる40代向けのアイテムってありますか?
いちばん簡単そうで、いちばん難しいのが保湿
保湿なんて簡単!だって保湿コスメを塗ればいいだけでしょ?多くの人はきっとそう思っている。でも、スキンケアでいちばん難しいかもしれないのが、じつは保湿。 大げさに聞こえるかもしれないけれど、人類はその祖先が海から陸に上がった時から、ずっと乾きと戦ってきた。水がなければ死んでしまうのに、人はあっという間に乾いてしまう宿命にあるからこそ、保湿はどうにも難しいのだ。 ましてや、生まれた時は体の75%は水分であったのが、高齢者になると50%まで減ってしまう。確実に水分を保てない体になってくる。肌で言えば水分を蓄えている表皮が薄く貧弱になって、単純に水分をプールできなくなる上に、角質細胞が髪のキューティクルのように水分をどんどん逃してしまう。 つまりもともと水分を多くは抱え切れない上に、保湿しても保湿しても、塗ったそばから潤いが逃げていくようになりがち。一見潤っているように見えても、内側は乾いてる……その錯覚が積み重なって、衰えを早めていたとしたらどうだろう。 だから、乾燥を侮ってはいけない。保湿を軽く見てはいけないのだ。
肌が乾くと、なぜ心も渇くのか?
肌も心もカッサカサ……半分冗談でそんな言葉が飛び交う40代以降、でもそれ、冗談ではない。肌が乾いている時は、心も明らかに乾きがち。と言うより、心が乾いているから、肌も乾くという流れがあることを知ってほしいのだ。 今振り返ると、私自身も40代、本当に肌も心も乾いていた。すべて忙しさのせいにしていたけれど、あれは一体何だったのだろう。 じつは、肌の皮脂や涙、唾液まで、いわゆる“外分泌腺”の働きは、自律神経がコントロールしている。わかりやすく言うなら、“緊張すると口が渇く”みたいに、交感神経が優位になると外分泌腺の働きにブレーキをかけ、唾液の分泌を妨げてしまうのだ。心と潤いの抜き差しならない関係は、そこに明らか。逆に心がゆったりリラックスするほどに、唾液の分泌も良くなるということ。 涙を流して泣くと、心が逆に穏やかになるのも、涙にはストレス物質が含まれているからと言うけれど、そういう意味でも、つながりは明白。端的に言えば、ストレスが多い人は、体中あちこちが乾いているのだ。 ちなみに女性ホルモンの分泌も肌と心の乾きに深い関係があるわけで、女性ホルモンが減り始めるのも40代と考えれば、さらに納得がいってしまう。