グーグル分割を米当局検討、独占の弊害で-マイクロソフト以来の試み
(ブルームバーグ): 米司法省は、米アルファベット傘下グーグルのオンライン検索市場独占に伴う弊害の是正に向け、同社に事業の一部売却を求める勧告を検討していると連邦裁判所の判事に伝えた。実現すれば、反トラスト法(独占禁止法)に基づく企業分割の歴史的ケースとなる。
8日の裁判所への提出文書によれば、司法省の反トラスト法執行担当者は、コロンビア特別区(首都ワシントン)連邦地裁のアミト・メータ判事がグーグルに対し、検索結果と人工知能(AI)製品作成のために使用する基礎データへのアクセス提供を命じることも可能と認識を示した。
メータ判事は今年8月、グーグルがオンライン検索と検索連動型広告市場で反トラスト法に違反するとの判断を示していた。
グーグル、検索巡る支払いは反トラスト法違反-司法省が勝利
新たな検索アクセスポイントやAIなどの機能を含むグーグル検索と検索関連製品・機能を巡り、競合他社や新規参入企業に対する優位を保つ目的で、インターネット閲覧ソフト「クローム」や基本ソフト(OS)「アンドロイド」、アプリストア「グーグルプレイ」を利用することを防ぐ行動および構造的是正策を検討していると司法省は提出文書で明らかにした。
32ページの提出文書は、是正措置の段階に移行した場合、裁判所の検討対象となり得る選択肢の枠組みを提示した。マイクロソフト解体に20年前に失敗した後、違法な独占が認定された企業の分割に米当局として初めて動く。
反トラスト法執行担当者は、グーグルが他のテクノロジー企業との違法なディストリビューション契約を通じて、自社の検索エンジンをスマートフォンやウェブブラウザー(閲覧ソフト)に標準搭載し、スケールメリットとデータの利益を得たと主張した。
AI製品から離脱するウェブサイトの能力強化をグーグルに義務付ける可能性もある。掲載先に関するより多くの情報と裁量を広告主に与えることを義務化するなど、検索連動型広告での支配的地位に関係する案も検討されている。