「こんな光景は見たことがない」山火事が米ロサンゼルス近郊の高級住宅地に延焼、3万人が避難
米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊の高級住宅地で7日、山火事が広がり、3万人が避難を余儀なくされている。住宅に被害が及んでいるほか、避難する人の車で交通渋滞が発生している。 当局によると、サンタモニカとマリブに挟まれたパシフィックパリセーズ地区の少なくとも1262エーカー(510ヘクタール)が焼失した。 当局は強風により火災が発生する危険性を警告していた。 山火事は数時間で急速に拡大。当局は夜間に最も強い風が予想されると警告しており、避難地域が拡大する可能性が懸念されている。 消防当局によると、現時点で負傷者の報告はない。 住民の男性は「文字通り火のついたがれきが、近くの道路に落ちてきた。それで、もうここから逃げた方がいいと思った。何を失っても仕方ない、どうしようもないと思った」と話していた。 また別の住民の女性は「火が車のすぐ近くまで迫ってきた。こんな光景は見たことがない。みんな車を道路に置き去りにして、火は丘の斜面やヤシの木、すべてを飲み込んだ。風が強くて、消防士は懸命に働いているができることには限界がある」と語った。 消防隊員が空から消火活動を行っているほか、テレビの映像では緊急車両が道路を通行できるよう障害となっている車をブルドーザーで撤去する様子が確認できる。 海岸へ通じる主要道路が1本しかなく、交通渋滞が発生し、住民らは徒歩で避難している。 カリフォルニア州のニューサム知事は、気象警報を受けて4日には州北部から南部への消防資源の移動を開始したと述べた。 パシフィックパリセーズはハリウッドスターらの自宅がある高級住宅地。俳優のジェームズ・ウッズさんは避難できたとXに投稿したが、自宅が残っているかどうか分からないと述べた。